科学部監修『必ず役立つ!古生代 サバイバルマニュアル』

とまあ書きましたが、古生代に行けば……ですよね。
実際、役に立ちそうな知識がわんさか出てきます。
これだけでちょっとした図鑑を眺めたくらいのいろんな科学的、雑学的な知識が得られます。
それがこの作品の何とも言えない魅力の一つ。

そして物語に登場する生物や植物の多彩さと魅力的な姿、そのリアルで楽しい描写がまた魅力の一つです。しかもサバイバル生活においてはどれも等しく、生きていく素材の一つとなっています。

普通そんな奇妙な魚とか貝とか食べようとは思わないはずですが、作者の想像力はそんなところにも切り込んできます。
あの植物があったら籠をつくるとか、ベッドを作ってみるとか、あの魚からロウソク作るとか、もう子供のようにいろいろと想像力が食いついていきます。

その様子はもう尋常ではありません。古生代の動植物に対する、愛と楽しさがあふれちゃってる感じです。大好きすぎて食べちゃってます。

そういった物語を楽しく引っ張っていくのが、四人の科学部の面々。もちろん個性派ぞろいの一癖も二癖もある連中です。
彼らが、雷の衝撃で古生代に飛ばされ、その知識を武器に過酷な環境で生き抜いてというのが(今さらながら)あらすじなのですが、お色気とアホさ加減をスパイスに、どこまでも楽しくサバイバル生活を繰り広げます。

作者をご存知の方なら納得の、怒涛で読ませる文章力で、お色気もアホも蘊蓄(うんちく)という知識も全部丸ごと、怒涛の勢いで転がっていくような物語になっております。

ぜひ読んでみてください!

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