そして、少年は愛機の操縦桿を握る

ロボットモノというジャンルにおいて、少年の多くはパイロットとして操縦桿を握ってきた。

やむを得ない事情があったにせよ、運命的な巡り合わせがあったにせよ、少年が巨大な人型の操り手となり、力を奮って行く――――
ロボモノで王道とされる展開の一つには、確かにこういった構造がある。

だから、操縦桿を握るという行為は、ロボット・ドラマの点火始動を告げる儀式のようなものだと、自分は思う。

なら、アンダイナスはどうだろう?
アンダイナスに登場する主人公は、第一章の多くを通じて同乗者だ。パイロットと呼ぶには、技術も、動機も、必要性も、決して多くはなかった。

本来ならば第一話で消化されて然るべきようなロボット・ドラマを、アンダイナスという作品は敢えて始動させないままに進めて行く。
面白い、そして異端とも思えるような構成だと思う。

だからこそ、だった。
030.「排除勧告」
031.「擬態解放」
ここに至って、ようやく結実した少年の想いと、それに応えるように動き出した愛機のドラマのなんと熱いことか!
未読の方にはここまで辿り着いて、最高のギアで噛み合いだしたドラマを見て欲しい!

オススメの一作として推します。

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