ロボットモノというジャンルにおいて、少年の多くはパイロットとして操縦桿を握ってきた。
やむを得ない事情があったにせよ、運命的な巡り合わせがあったにせよ、少年が巨大な人型の操り手となり、力を奮って行く――――
ロボモノで王道とされる展開の一つには、確かにこういった構造がある。
だから、操縦桿を握るという行為は、ロボット・ドラマの点火始動を告げる儀式のようなものだと、自分は思う。
なら、アンダイナスはどうだろう?
アンダイナスに登場する主人公は、第一章の多くを通じて同乗者だ。パイロットと呼ぶには、技術も、動機も、必要性も、決して多くはなかった。
本来ならば第一話で消化されて然るべきようなロボット・ドラマを、アンダイナスという作品は敢えて始動させないままに進めて行く。
面白い、そして異端とも思えるような構成だと思う。
だからこそ、だった。
030.「排除勧告」
031.「擬態解放」
ここに至って、ようやく結実した少年の想いと、それに応えるように動き出した愛機のドラマのなんと熱いことか!
未読の方にはここまで辿り着いて、最高のギアで噛み合いだしたドラマを見て欲しい!
オススメの一作として推します。
のっけから主人公の“語り”で何事かと思わせてくれますが。
主人公、全く取り柄がないかに見えて……実は伸び代がものすごい。
まずツッコミ。ツンデレなヒロインとの掛け合いが見ていて何とも面白い。
かと思えばロボ。
これでもかってほどSFの醍醐味を味わわせてくれます。大丈夫、初心者からマニアまで守備範囲は広大です。
さらにアクション。
駆け引きまで含めた戦闘の妙。そう、こういうのが見たかった! という展開を見せてくれます。
ほのぼの。
一気に引き寄せられる引力です。これでぐっと引き寄せられ、離れられなくなったところへ――。
ヤバい展開。
これは、是非ともその眼でお確かめください。呆然とする展開の果て、あっという仕掛けが待っています。
上へ下へのジェット・コースター。まさかの全部入りをご賞味あれ。
これを楽しまない手はありませんよ。