日常に潜む謎を解き明かす
- ★★★ Excellent!!!
女子院生である東雲理子の専門は「哲学」である。
論文のテーマに悩んだり、一般的な院生と変わらない生活を送る理子の元にちょっとした謎が舞い込む。
哲学。と言われると難しい印象があります。
聞いたことはあるけれど、具体的にどういうものなのかは分からない。
私自身、哲学に詳しいわけではなく難し印象を覚えていましたが、この作品はそんな人にも丁寧に分かりやすく哲学の考え方を教えてくれます。
何より日常にありそうな、ちょっとした謎が魅力的です。
普段であれば見落としてしまいそうな、本当に些細なことも考えてみると確かに謎には違いありません。
その謎が解けたときに、ああ、なるほど!と爽快な気分にさせてくれます。
主人公の理子を含めて、各話に出てくる登場人物たちもそれぞれ魅力的です。
各エピソードの文章量はそれほど多くないのにも関わらず、的確に個性を表現しながら、一つのお話としてまとめあげています。
スマートニュース×カクヨム「連載小説コンテスト」優秀賞という話を聞き、興味を持って読みましたが納得の完成度です。
ぜひ、この機会に読んでみてはいかがでしょうか。