残り物とは言わせない。“十八番目”の勇者と女神、異世界を駆ける!

 怪しいジイさんがいると思いきや、気付けば異世界に「召喚」されていた、蒼一と雪。ジイさんが言うには蒼一は「勇者」、雪は「女神」らしいが……。兎に角二人は、元の世界に帰る為に、大賢者を追う旅に出る。

 ジイさんより授けらし、女神だけが読めるという、勇者にスキルを与える巻物を駆使し旅を始める二人なのだが、使えるスキルがどーにも渋い。渋すぎる。剣を携えておきながら、鞘でモンスターを殴るとはどういう事なのだろう。まあ何せ二人は、“十八番目”の勇者と女神。そこには泣ける理由が隠されており、是非ともそこは、読んで確かめてみて欲しい。

 軽快なコメディと思わせておきながら、渋いスキルを駆使しての戦闘シーンも魅力の一つ。渋いが強いのだ、この勇者。旅を進める内に増える仲間、深まる謎の引っ張り具合にも隙が無く、読み手を決して飽きさせない。

 古きよきRPGを彷彿させる冒険譚。是非皆様も、ご一読。

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