この世界に呼び出された勇者と女神。
彼と彼女は偉大な女神の力によって大いなるスキルを授かり、魔を打倒する使命を背負っているのだった。
そう、ちょっと前まではね。
通算勇者18番目となる主人公とヒロインは、もはや魔王もいない異世界で、授かるスキルも残り物。
宴会芸のようなスキルたちを前にこんなものでどうしろと!?
地球での記憶も朧げな二人は、とにかく残飯のような(失礼)スキルをやりくりしてモンスターに立ち向かいながら、地球への帰還目指して頑張ります。
良い性格をした二人は全くめげず、各地をまわって切った張ったの大騒ぎ。
あっちでモンスターを殲滅し、こっちで放火し家を崩し、そちらで貝柱をもぐもぐする。異世界観光なんのその。
しかしてパーティメンバーを増やしつつ連携が様になってきた時、勇者たちが気付いてしまった真相とは……!?
序盤はコミカルに進む異世界定番もの。
ですが、そこに隠された伏線が集まって物語はどんどん加速していきます。
はじめは使えないと嘆いていた能力が使い方次第で化けていくのも見所で、応用して強くなっていく様は能力バトルの醍醐味を感じさせてくれる優れもの!
果たして勇者たちは無事地球に帰ることが出来るのか。
楽しく読み進めながら、二人+の旅路を追っていきましょう。きっと、後悔はさせないと女神が申しております。おすすめです!!
それにしても……メイリ、一体何者なんだ。
怪しいジイさんがいると思いきや、気付けば異世界に「召喚」されていた、蒼一と雪。ジイさんが言うには蒼一は「勇者」、雪は「女神」らしいが……。兎に角二人は、元の世界に帰る為に、大賢者を追う旅に出る。
ジイさんより授けらし、女神だけが読めるという、勇者にスキルを与える巻物を駆使し旅を始める二人なのだが、使えるスキルがどーにも渋い。渋すぎる。剣を携えておきながら、鞘でモンスターを殴るとはどういう事なのだろう。まあ何せ二人は、“十八番目”の勇者と女神。そこには泣ける理由が隠されており、是非ともそこは、読んで確かめてみて欲しい。
軽快なコメディと思わせておきながら、渋いスキルを駆使しての戦闘シーンも魅力の一つ。渋いが強いのだ、この勇者。旅を進める内に増える仲間、深まる謎の引っ張り具合にも隙が無く、読み手を決して飽きさせない。
古きよきRPGを彷彿させる冒険譚。是非皆様も、ご一読。
ボケ爺が導くふざけた始まりは、異世界冒険ものにはつきものかもしれない。しかし……
言われるまま進む勇者と女神。でもさ、急に戦えって言われても、まあ無理ですよね。
そんなこともあるから勇者にも女神にもスキルが用意されているわけですが、そもそもスキルだって、異世界へ行く前に使ったことがある人はそうはいないと思いますけど?
そんな読者のみなさんでも大丈夫! しっかりサポートされています。
ああー、昔こんなRPGあったよな。
なんて思わせる、無駄な苦戦ぶりです!!
カクヨムの読者は書き手の人が多いと思います。しっかり組み立てられた物語は読み進めていくと面白いのでお薦めです。