可愛いだけではない群像劇!

 ある日、飼い猫が人間に見え、あまつさえ話ができたら…想像した事は、私もあります。きっと楽しいのだろうな、と思っていたのですが、この物語を読むと「いや、そりゃそうか」と思い直しました。

 考えてみれば、いくら可愛くとも、こいつらは大人で、しかもやっている事は大の大人がやっていたらヤバい事ばかり!

 しかし時折、見せる優しさ、また決して嘘を吐かない誠実さは、イケメンが備えれば最高の条件でもあると思います。

 そんなイケメン猫の魅力たっぷりの本作ですが、そればかりが見所ではありません。

 それぞれのキャラクター皆に心があり、その揺れ動く様を丁寧に書いている所も見逃せません。もっと上手く行く方法があるだろうにと思う事も度々ですが、「いや、仕方がない」という結論に至れる描写、キャラクター造形が、脇役ではなく助演なのだと印象づけられました。

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