第12話 緊張の宿舎

 天理東インターチェンジから出ると車は右折してまっすぐに進む。そして少ししてから大きな建造物がたくさん見えてきた。



 「!?」



 「あそこが会場だよ。」



 「え!?」



 僕はあの建造物が参加するイベントの会場だと知ると驚いてしまったのだ。本格的な夏のイベントがこれから始まるのだ!!



 「うわあ~!楽しみだあ~!!」



 僕はどんなイベントが待っているのか楽しみで仕方がなかった。




 ー現在に戻るー


 食事をしながら懐かしむ僕に西村さんは話しかけてきた。



 「これから3日間、しっかり学ぶんやで!」



 「はい、色々勉強させてもらいます!」



 そう言うと食事を終えてすぐに再び車で移動して神殿近くの建物へ移動する。車からおりて建物へ移動する時少し雨が降っていた。



 「うわー、雨だ!」



 「たぶんにわか雨やで。ほな、頑張ってこいよ!!」



 「はい!!ありがとうございます!!」



 ここで僕は西村さんと別れて中に入る。とある勉強会の受付が行われていて受付を済ませると自分の宿泊する部屋へと移動する。すると若い男性と中年の男性が二人もいたのだ。



 「あ、はじめまして。」



 「はじめまして!」



 「はじめまして!」



 既に二人も・・・心の中で『うわ、どうしよう』という気持ちの僕は緊張のあまりとりあえず会話をすることにしたのだ。



 一人は長野県出身で東京から来た中年の【守坂もりさか】さんでもう一人は若い兵庫県出身の東京在住の【川本かわもと】さんだ。



 「ぼ、僕は石川と言います・・・」



 「守坂です。」



 「俺は川本!よろしくお願いします!」



 さて何を話そうか・・・僕は本当に緊張してしまい帰りたい気分になったのであった。すると・・・



 「そういや関西と関東のうどんのだしって違うそうですよね。」



 そう言い始めたのは守坂さんだ。すると僕は言う。



 「確か関西の方がだしがうすいんですよね。」



 「俺も関東ではじめて食べたときはだしの濃さに驚きましたよ。」



 なんと川本さんも話に入り、3人でなんやかんやで盛り上がったのだ。しかし3人で意気投合してもまだ女性陣3人が来ていないのだ。一部屋6人の短い時間の物語はいよいよ始まろうとしていた。

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