第11話 人類のふるさと

 ー18年前・八尾市ー


 時は遡るほど18年前・・・僕は弟と一緒に母親にある場所へと送迎されたのであった。そこである女性が僕に声を掛けてきたのだ。



 「おはよう!竜太くんっていうのね?」



 「おはようございます!枝村えむら竜太と言います!」



 当時(1999年)は枝村家の養子に入り、枝村竜太と名乗っていた僕は知らない子供達と一緒に神社の宮殿のような場所で待機をしていたのである。



 「(今からどこへ行くんだろ?)」



 すると大人の男性がやって来た。彼は植原うえはら俊一しゅんいちさんと言い、子供の世話係のようだ。



 「ではみんな、集まって!!」



 植原さんが声を掛けると皆が集まったのである。そして自己紹介をしたのだ。



 「えー、みんな!おはようございます!」



 『おはようございます!!』



 「僕は今回、みんなと一緒に行動をします植原俊一といいます!よろしくね!!」



 『よろしくお願いします!!』



 植原さんはかっこよくて優しそうな雰囲気の持つ人で普段は会社勤務だそうな。



 「植原さん、よろしくお願いします!!」



 「こちらこそよろしくね!君が竜太くんだね!!」



 「はい!!」



 植原さんとも少し仲良くなれた僕達はやって来たワゴン車に乗って目的地へと向かう。



 「今からどこへ行くの?」



 「人類のふるさとだよ。」



 「???」



 僕は良く分からないままとりあえず車が通る西名阪自動車道の景色を眺めて楽しむのであった。車が走り出して一時間前後・・・車は名阪国道に入り、例の【天理東】インターチェンジを出て目的地へと向かうのだ。

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