第8話 時期
しかし僕はある不安を抱えていた。というのもその夏の思い出をどう小説にするかということだ。テーマはファンタジックな内容を求められている。また作風は自伝的なものなら自信はあるがファンタジックなものは自信がない。
「(どないしよう・・・)」
実際僕は作品作りに苦戦して構成もうまく作れていないしそもそも作家の夢すらもはや考えていない時期だったのだ。
「(作家なんかもう目指してねーのに・・・)」
失意の底にいた僕は打ち合わせが何か希望を繋いでくれるかもと期待してその女性に会うことにしたのであった。
ー後日・大阪市天王寺区ー
夏のあつ~いその日は打ち合わせが行われる日。僕は天王寺駅の近くの喫茶店の前で待ち合わせをしていると女性がやって来たのである。彼女は【
「こんにちは、石川さん!」
「北浜さんこんにちは!」
「今日はゆっくり打ち合わせをしましょうね!」
「そうですね!早く作品を完成させたいので話をしましょうね!」
そして二人は店に入ると二人で座れる入口前の席を確保して話をはじめる。
「あのー、北浜さん。」
「はい、どうされましたでしょうか?」
「はい、実は作品内容を25年前の幼稚園時代の思い出の作品に代えたくて・・・」
「それなら良いですよ!どんな内容にしますか?」
この日は8月の暑い日で25年前に天王寺駅から特急に乗って紀伊半島までキャンプに行った時期とほぼ重なっており、思い出を振り返るには素敵な時期であった。
「えーと、こんな~・・・感じかな。」
「面白そうですね!」
「昔の思い出を書くんですから。これからさらに面白くなりますよ!!」
僕は思い出を振り返りながら構想を練るも25年前の世界を作品内で再現させられることが出来るか不安だったのも事実だ。
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