第6話 思い出を振り返る地

 僕の目の前に現れた木造の小川小学校・・・大阪に住んでいてまだ幼稚園児である僕には縁もゆかりもない木造の校舎なのになぜかなつかしい感じがするのだ。


 「こんにちは!」


 僕は校舎に向かってそう呟いた。この学校でこれから色々な出来事が起こる・・・この秘境の地・古座川で僕の物語が刻まれるのだ!




 ー現在・松原市小川ー


 その思い出を振り返ろうとしたらお客様の家の前に僕は到着していたのだ。ちなみに思い出を振り返りながらもちゃんと安全運転はしているということを言っておく。僕は家のインターホンを押すと家の人と見られる初老の女性が出てきたので新聞を渡す。


 「この度はすみません!」


 「いいよ、気にしないで!」


 「これからは気を付けます!配達員にも厳しく指導しますので!」


 「そこまでしなくていいよ!」



 ・・・無事お客様に新聞を渡した僕は小川の景色を眺めていると学校が見える。


 「(松原の小川でも学校が見える・・・!)」


 こちらの小川は秘境ではないが古座川町の小川にも川があり、何となく林間キャンプの思い出を思い出すには十分な場所だ。


 「(ここまで配達するには遠いけど来る価値はあるな!)」


 店から遠い場所だが僕の遠い記憶を呼び起こしてくれる松原市小川は本当に大切な場所だ。

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