懐かしき味に思うのは、波間はるかなる故郷

姉さん女房で離島出身者同士のささやかであたたかな日常、食卓を彩るのは故郷の味。
他のレビュアーさんも仰るように、作者さんの使われる方言の描写は本当にお上手で、作品に滋味を醸し出している。加えて、料理の描写。このヅケ茶漬けの何と美味しそうなことか。「ああ、食べたい」と思わせることで、二人が想いをはせる離島の情景が、読み手にもすっと浮かんでくる。そして、「よかねえ」とにっこりし、余韻に満足しながらブラウザを閉じるのである。

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