人間の欲望の底から、「獣」が現れる――

生れた境遇が悪かったために望む人生を諦めていた青年イデ(イーデン)は、ある日、奇妙な男から、トランクを預けられる。「謝礼はたっぷり払う」という言葉に、戸惑いながらも、行きずりの同胞を連れてスラムへトランクを運んで行ったイデだが、そこで仲間の裏切に遭ってしまう。彼の前に現れたのは、巨大な、狼に似た「獣」だった。
獣に蹂躙されかけるイデを、黒目黒髪の嫋やかな少女ネヴ(ネヴィー)が救う。魔眼をもつネヴと彼女の仲間たちは、怪奇現象を専門に追うエージェントだった。
イデは、彼女たちの活動に引き込まれていく――

ごく普通の人間のささやかな欲を、醜悪な「獣」へと変えてしまう薬。地震で崩壊した後、階層化された社会で、人々の生活を支える蒸気機関。魔眼や駆動装甲など。独特の世界設定とアクションが魅力です。対照的な性格のイデとネヴと、ネヴを護るアルフの人間関係も。

異能、怪奇現象など、ダークファンタジーの要素の濃い物語が、どういう方向へ向かうのか、見守らせて頂きます。