概要
幸せって何? それって綺麗なこと、楽しいこと、満たされること?
――たとえばもし、悪いところがあったら。欲張りだったら。幸せにはなれない?
原因不明の震災によって隔絶され、先のない蒸気文明の発展を続けるバラール国。
元々の国民は優先して保護され「上層民」、たまたま巻き込まれ取り残された異国人は「下層民」となり、一見は華やかなものの確実な閉塞感に包まれていた。
下層の青年イデは生まれゆえに人生につまづき、やさぐれていた。
そんなある日、彼は文明に否定されたはずのモノに出逢う。怪奇。人の飢えに応えて現れる獣に。
当作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
原因不明の震災によって隔絶され、先のない蒸気文明の発展を続けるバラール国。
元々の国民は優先して保護され「上層民」、たまたま巻き込まれ取り残された異国人は「下層民」となり、一見は華やかなものの確実な閉塞感に包まれていた。
下層の青年イデは生まれゆえに人生につまづき、やさぐれていた。
そんなある日、彼は文明に否定されたはずのモノに出逢う。怪奇。人の飢えに応えて現れる獣に。
当作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!人間の欲望の底から、「獣」が現れる――
生れた境遇が悪かったために望む人生を諦めていた青年イデ(イーデン)は、ある日、奇妙な男から、トランクを預けられる。「謝礼はたっぷり払う」という言葉に、戸惑いながらも、行きずりの同胞を連れてスラムへトランクを運んで行ったイデだが、そこで仲間の裏切に遭ってしまう。彼の前に現れたのは、巨大な、狼に似た「獣」だった。
獣に蹂躙されかけるイデを、黒目黒髪の嫋やかな少女ネヴ(ネヴィー)が救う。魔眼をもつネヴと彼女の仲間たちは、怪奇現象を専門に追うエージェントだった。
イデは、彼女たちの活動に引き込まれていく――
ごく普通の人間のささやかな欲を、醜悪な「獣」へと変えてしまう薬。地震で崩壊した後、階層化さ…続きを読む