生きるように死んでいった《美少年》の、

或いはずっと死にながら生きていた、…これからも生きていく?美少年と、それを見つめ続けた少年の物語です。
読んでいるあいだ、ずっと、ぼんやりと曖昧な境界を漂っているような、夢のなかで他者の思考を追体験しているような、不思議な感覚になりました。物悲しく、耽美で、繊細な文章と描写がそのような心地にさせるのか、それとも果敢なげな美少年がみせる幻影がそちら側に引きこむのか。
現実と幻想、生と死の境界線は、私達が普段想像しているよりも遥かに曖昧で希薄なものなのかもしれないと考えさせられました。

的確な感想が浮かばないのがはがゆいです。
この夏、美しき生死の境界をのぞきこんでみたい御方は是非。