うまいお話です。

 作中に現れるのは、それはごく平凡な「ご飯」。きっと誰しも、一度は食べた事があるでしょう。今日のメニューはこれにしようと思い立っても、それは簡単に実現出来る、手軽なもの。
 然し、真にそのメニューに込められたのは、手軽さでは無く人の思い、過去、人生そのものであり、満たされるのは食欲だけではございません。「ご飯」の描写も一級品。読めばきっと、腹は減るが心は満たされる。
 ちなみにその「ご飯」、私は一度も美味いと思った事が無ければ正直嫌いなメニューなのですが、これを読んで、案外悪くないのかもなと思いました。嘘つけえって? まったまたぁ!
 なら騙されたと思って、そこのあなたもご一読!

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