少女は、少女の手によって、羽化をする————

 最初に言ってしまうと、私は百合作品を好んで読む方ではない。そんなシーンに出くわしたら、せいぜい「あら^~」と、お付き合いする程度である。

 そんな私が——

「てっき、よろしくてよ」

 ——とばかりに、読了後にレビューを書いている。

 ロボ好きとしては、その圧倒的スケール感に大満足。
 これを百合からの忌避から未読のまま終えるのは、セカイ、この宇宙を凍てついた氷で閉ざすことにも等しかろう。

 小さく固い蕾は、ハナ開き、アヤしくもカを放つものである。そこに引き寄せられ、また引き裂かれる運命も、燐光のように儚く、数奇なものである。

 その想いは、過ちなのか——?
 狂ったシーケンス、間違ったプロセス、生命としてのバグ。
 たとえ、そうだとしても、灯されたアカリ、ヒカリの指し示す先へ、熱さに焦がれる指先を震えながら伸ばすのだろう。

 ああ、蝶よ、花よ、そのどちらも美しい。花びらを散らしながら咲き誇り、千切れた羽で飛んでいく。
 孵化せよ、その想い。
 二人融け合う繭の中。
 許されるセカイに辿り着き、少女は、そこで羽化をする。

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