少女は、少女の手によって、羽化をする————
- ★★★ Excellent!!!
最初に言ってしまうと、私は百合作品を好んで読む方ではない。そんなシーンに出くわしたら、せいぜい「あら^~」と、お付き合いする程度である。
そんな私が——
「てっき、よろしくてよ」
——とばかりに、読了後にレビューを書いている。
ロボ好きとしては、その圧倒的スケール感に大満足。
これを百合からの忌避から未読のまま終えるのは、セカイ、この宇宙を凍てついた氷で閉ざすことにも等しかろう。
小さく固い蕾は、ハナ開き、アヤしくもカを放つものである。そこに引き寄せられ、また引き裂かれる運命も、燐光のように儚く、数奇なものである。
その想いは、過ちなのか——?
狂ったシーケンス、間違ったプロセス、生命としてのバグ。
たとえ、そうだとしても、灯されたアカリ、ヒカリの指し示す先へ、熱さに焦がれる指先を震えながら伸ばすのだろう。
ああ、蝶よ、花よ、そのどちらも美しい。花びらを散らしながら咲き誇り、千切れた羽で飛んでいく。
孵化せよ、その想い。
二人融け合う繭の中。
許されるセカイに辿り着き、少女は、そこで羽化をする。