明かされる謎がやるせないからこそ、少年少女の足掻きが胸を打ちます。

旅する薬師の深(しん)と、人語を話す鳥・縁(えにし)の一人と一匹が出会ったのは、与依(よい)という少女。
彼女は村人たちから「天邪鬼」と避けられていて……。

という出会いから始まる物語。
話が進むにつれ、村に隠された秘密が、さらに読者を物語に引きこんでいき……、と見事な流れになっています。

登場人物達もみな魅力的なのですが、なんと言っても、鳥の縁が可愛いです。
強がりで、意地っ張りで……。読んでいて微笑ましいです。

縁の次に好きなのが歴。
真っ直ぐな彼の存在が、この物語が語られ終った後、きっと素敵な未来を切り開いていってくれるんだろうという希望になりました。

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