揺らぐ現実。

不思議なお話でした。
前半の幻想的な雰囲気と、後半の軽妙洒脱な二人のやりとり。どちらも情景や情動の描写が美しく、もの騙りのなかへ、引き込まれていきます。
夕陽の赤から、夜の黒へと変化していく展開。そして、最後の項を読み終えて感じる身震い。
読み終えて、足元を見てほしい。
あなたの下にあるのも、薄氷に過ぎないのだから。