家庭教師(護衛)のお相手は姫(王子)でした!

16歳の女子だというせいで良家の家庭教師になり損ない続けているアレクシア・フォン・ヴォルフヤークトは、5回目の就職に失敗した先で先王の遺児であるジュリア・オブ・ルクトニアを救うことに。
果たして彼女の家庭教師となったアレクシアだが、ジュリアはなんと、姫を騙る王子様だった!

強い、でかい、あきらめがいい、三拍子そろったアレクシアさんのキャラクターがとにかく秀逸ですね! 
セリフじゃなくて多彩な地の文で綴られる彼女の有様は実にわかりやすく、そして軽妙です。
構成ももちろんなんですけど、この文章力は見事ですねぇ。その文章のおかげさまでするーっと読める、意外なほど濃い悲喜劇は極上のひと言ですよ。

さらに初っぱなから俺様全開なジュリアさん、すばらしくおかしいです。
アレクシアさんとの衝突がおかしくて、少しずつ縮まっていく距離が愛しくて……キャラの個性の輪郭をここまで太く引ける造形力は本当に希有なものです。
読み手の方にも書き手の方にもおすすめいたします!

(秋こそガッツリ!長編4選!/文=髙橋 剛)

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