架空の対戦ホビーロボットが激突する、ひと夏の爽やかなジュヴナイル。

青春SF小説……
というか、近未来ホビー小説というべきでしょうか?
架空のホビーロボットを対戦させて遊ぶ、ひと夏のジュヴナイルといった趣きがある作品です。
短編小説とは思えないほど細部までこだわったホビーロボットの設定が強烈ですね。

全体的な印象は、他のレビュアーの皆さんと概ね同感なのですが、個人的には作中で主人公がバトルの対策を練るシーンにおいて、「相手に合わせて装備を変更した方が有利なのはわかってる。でも、今までどおりに戦いたい。そちらの方がカッコイイからだ」というようなことを考えている箇所に、ちょっとした対戦ホビーのリアリティを感じます。

この小説の世界でも、やっぱり「何が有利かは二の次、基本的には自分が好きな戦術を貫く」というユーザー(いわばエンジョイ勢)とガチ勢とのあいだでは、強い確執があったりするのかなあ……
なんて、色々と想像力を刺激されてしまいました(笑)。

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