こんなに切ないディナーがあっただろうか。こんなに幸せなディナーがあっただろうか。丁寧な料理の描写をベースに、繊細な心の動きを最低限の会話だけで構成した完成度の高い作品。不覚にも涙した。
料理の表現がものすごく上手いです。料理人がしっかりと味わうフルコースの味は極上です。 そして料理を共に味わうのは……。 最高に美味しいフルコースを、ぜひ堪能してみてください。
料理の描写がとても上手。こんな時間(00:07)に読むものじゃなかった。お腹が減ってしまった。また料理だけではなく、切ない切ない恋の物語も重なり合っていたのが良い。料理がひどく美味しそうな反面、彼女と食べれていたら……という想像が膨らんで切なさを増長させる。とても良い話でした。
上品な品の数々、そして老体の男性。彼ははつ恋について語りながら、愛された彼女との会話と料理の数々を楽しみます。老体の主人公だからこその味わい深い料理描写の数々でした。
と言うのは、大げさすぎるかもしれませんが、このご老人の人生に似ているような気がしました。噛み締めながらしっかりと食べていく様子が、愛しい人との思い出を噛み締めているようで、ウルッとしました。まだ、彼の人生の途中だと思いたいです。
レストランに現れた1人の老人。しかし、2人分の注文をお願いする……恐ろしいほど詳細で叙情的ですらある食べ物の描写は、食事前に読むと否応無く空腹を刺激します。食べながら回想する、対面の相手の思い出。その嬉しさと寂しさに、今度は涙腺が刺激されることでしょう。美味しいものを想い人と食べる。そんな人生の至福を、どうぞ味わってみて下さい。
最初、ただのグルメ小説かと思いきや、主人公の『彼女』に対する想いが繊細なタッチで描かれていると思います。激しくはなく、しんみりとした主人公の透明な愛を感じられる作品でした。
私にはとっては、いつも隣にいる彼女のもとで、、、最高に引き込まれる感動飯テロ作品です。読み始めの頃と最後では心境が違いました。多分夜に一人で見たら泣くかも
レビュータイトルは、作中からの引用です。食前酒、オードブル、スープ、メイン料理等が、独自な、素敵過ぎる表現で描かれ、途端に引き込まれます。実際に食べたような感覚を味わい、舌鼓を打つ自分がいました。そのフルコースを味わう背景とは……コース料理と共に明かされていく特別な「私」の背景、想い。心に残る素敵で切ない体験をさせてくれる物語を、是非多くの方にも、料理と共に味わっていただきたく思います。
多くを語るとネタバレになってしまう。しかし、私にとってこれは究極のロマンティックディナーだ。初老の男性がレストランを訪れる。一人で。にもかかわらず、そこには確かに二人、いる。この後は、作品でどうぞ。
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