歴史小説書き的観点で

ニヤニヤしました。
と言うのも、自分が抑えている時代、東晋末。
思いっきり似た末期を遂げている皇帝がいるのです。
安帝と、恭帝。

二人は兄弟で、兄はこの物語にも出てくるような精神退行者。
弟はその兄をよく支えたが、兄暗殺後、将軍「劉裕」に
皇位を禅譲する役として飾りの皇帝に据えられ、
そしてやはり殺されます。

この物語の印象としては、この二帝のエピソードが合わさった感じ。
逆に言えば、史書の中では「暗殺されました」程度でしかない
エピソードの中に、朱宵鈴のような思いを抱えた人も
いたのだろうなぁ、などと思うのです。

特に恭帝暗殺に際しては、
朱宵鈴に近い立場の人の事跡が残されてもおり、興味深いです。
その方は恭帝の毒殺を仄めかされたので、自らがその毒を仰ぎ、
死ぬ、と言う振る舞いに出ましたが。

歴史と物語が出会う面白さを感じました。

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