恋愛小説の名手が紡ぐ素敵な物語
- ★★★ Excellent!!!
ある出来事がきっかけで、恋愛に臆病になってしまったヒロインが、ほんとの自分の気持ちに気付くまでがとても丁寧に描かれています。
ayane様の小説を読むのは二作目なのですが、相変わらずうまいです。読む者を、やきもき、じれじれとさせる手腕はぴかいちです。
私が特に好きなのは、『プロローグは刺激的に』でもそうだったのですが、主人公とその相手の両親をきちんと描いているところです。そして、主人公の相手となる男性と主人公の両親との関係がとても気持ちよく描かれていて、私はそこがとてもいいなぁと思うのです。
ただ単に恋愛だけを描くのではなく、友人や家族といった主人公を取り巻く人たちとの関係性も丁寧に描かれているところが好きです。
柚葉ちゃんと日向くんとの関係は今はまだ恋愛ですけど、その先には家族というさらに大きな世界へとつながっていくのでしょう。そういうことが自然と想像できてしまうところが、ayaneさんの小説の最大の魅力ではないかなぁと思います。
今回も楽しませていただきました。ありがとうございました。