眠れる獅子《ライオン》はオフィスで爪を隠す

ayane

プロローグ

 結婚相手は直感でわかる。

 お見合い結婚で父に嫁いだ母の言葉。


 お見合いは家柄と経歴と年収、容姿はイケてなくても、身上書の条件が揃っていればそれでいい。


 だから一目で一生の伴侶を見極める直感なんて、絶対に信じない。双方が妥協し、愛情よりも安定を選んでいるに過ぎないのだ。


 でも……

 恋人に裏切られ、恋することに疲れてしまった私は、両親みたいなお見合い結婚も穏やかでいいのかもしれないと、感じ始めていた……。


 ――そう……


 彼と出逢うまでは……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る