大切な人といる世界はこんなにも美しい

産業革命によって職と夢を奪われた少年が、革命の要因である魔法杖に惹かれて、生きる力を取り戻していくドラマに感動しました。

何度も悩み、立ち止まっては、前に進むラスト少年のいじらしさがとても可愛いですし、ラストが道を間違えまた立ち止まる度に、優しさと不器用さで道を指し示してくれるアイーダ先生が素敵でした。

初めから終わりまで、アイーダ先生はラストのことを大切に大事に、彼にとってよい道筋を考えて寄り添い、最期には彼に全てを託していく。
一見、怖そうでもそれは人間関係に慣れてないからで、自信家に思えても内心は自分の技術や思考に不安を持ちながらそれを克服して生き、愛情深くとも人や自分がその愛に翻弄されないように自制する強さ、本当に魅力的な人物でした。

また時間を置いて、読み直したいと思える作品でした。

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