一編集者の思い

作者 @BlackJohn

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★★★ Excellent!!!

出版業界全般に言える事、みんなぼんやりと思ってそうな事を的確にカタチにした作品。
まあ出版する側からすれば薄っぺらいのばっかり売れまくって、真に良質な作家の本が売れないのは悔しいのかもしれない。
ただ、誰でも書ける作品だろうとなんだろうと、結局作家になりたい人もそうでない人も皆、自分の表現したいものをカタチにしてるだけ。
高尚も低俗もクソも、全部原点は自分のセカイをカタチにしたいっていう想い(だと思う)
だから売る側の視点で書かれたこれは新鮮だけど、作り手側の想いはガン無視って印象を受けました。
Web小説は好きな物を好きなように自由に書けるのが最高なので、テンプレ上等で書き殴ればいい。下手でも楽しんで書けるのがweb小説なんだから。
ただ、小説家目指してる人はこれ読んで参考にすると為になる。一読の価値は確実にある作品です。
小説家はありふれたテンプレだけでは生きていけないのだから。

★★★ Excellent!!!

仰ること、すべてその通りだと思います。
ネット小説のランキングを見る度に、げんなりします。
まずパッとしない主人公。スローライフやほのぼのが定番。大体猫や少女をトラックから助けて死ぬか、病気でばたり。気がつくと異世界で、だいたいヒロインとセット。そのまま見ず知らずの赤の他人を助けたがるお人好しの村。地球と同じとしながら、ろくに調べない、体験したこともないので穴だらけ、疑問だらけの自称地球産の謎技術。そして上位者関連のトラブルにヒロイン(2号さん)が巻き込まれ、訳のわからん謎理論一本槍で攻略。大体そのまま都会へGO。道中はご都合主義を言い訳に作者の腕のなさを適当魔法やこれまた適当スキルでゴリ押し快適バカンス。
書き出したらきりがないですが、こんな作品ばかりが目立ち読む気力がなくなって久しいです。
無料ですら読みたくないのに有料になったらもっと読みたくない。そんな作品が書籍化されるなんて信じられない思いでしたが、出版社の方は読者がちゃんとした小説に自然と移行すると思われていたことがもっと信じられません。行間を読むこともできない読者が小説を読むはずがありません。

そもそもネット小説は小説ではないと私は思っています。
私の思う小説とは、述語・漢字・言い回し・文法などのいわば日本語の教科書であり、心踊る別世界への扉であり、言葉の端々、行間の1つ1つに隠された意味が潜む謎かけであり、文章・構成・キャラクターが調和した芸術なのです。
しかしネット小説には、それがありません。重みも熱量も厚みも緻密さも全て足りません。場当たり的で事柄の表面を撫でる、そんな作品ばかりです。

色々と思うところを書き殴っていたらまとまりがない文章になってしまいましたが、1活字好きとしておもしろい作品が世に出て来てくれることを願ってやみません。

★★ Very Good!!

もっともだなーと思う反面、おいおい、お前がそれ言うのかよという反発もありました。

述べられている事例を反面教師にしようにも、それすら許されないディストピア的空気感がそこらで蔓延っています。

ま、結局リングで殴り合うのは作家なので、大人しくレフェリーに従う他ないですね。

★★ Very Good!!

売り上げを重視しすぎるがあまり浅薄な作品ばかりを優先して出版することが業界にとって果たして正解なのかといえばこれはとても頭を悩ませる、難しい問題だと思う。

初動の売り上げは重要である。
しかし、それをライトノベルという業界全体のマクロな視点およびに本来あるべき文学性の観点から考えると...やはり安易にイエスとは言えないのである。

編集者様ならではの参考になるお話が多く、一気に読んでしまった。

★★★ Excellent!!!

冒険家と呼ばれるひとたちは、7:3や、6:4、という言葉を使うそうです。

7割の確率で生還できるかもしれないけれど、3割は死ぬかもしれないという意味だそうです。

でも、今から100年以上昔の冒険家たちは、4割の確率で生還できるかもしれないけれど、6割死ぬかもしれないという状況下で、前人未到へと挑んでいったといいます。

冷たい言い方になりますが、どんなに準備を重ねても未知の領域に飛び込むのだから、当然なのかもしれません。

『創作とは博打である』

そういう中で生き残っていくために必要なこと、あるいは早々に諦めることを、この考察は教えてくださっているように思います。

生き残れる可能性は、やってみなくてはわからないことなのですが。

Good!

真偽のほどはさておき、非常に読みごたえのある内容だ。
特に番外編は頷ける部分が多く、しかし一概にそれだけとも言えない微妙なバランスがあることを思うと胃が痛くなる。
オリジナリティがあったところで売れないと思われたら受賞はできない。頑張って、頑張ってオリジナリティを出そうとしてもライトノベルという媒体に適さない方向性であれば、それだけで駄目なのだ。
だからみな似たような内容に逃げ、出版社側もひとまずある程度は売れる見込みがあるからとそれを取る。
この負の連鎖を断ち切るつもりで筆を取らねばならないと思いたい。

★★★ Excellent!!!

これは個人的な意見ではないはず、はっきり言ってこの業界はすでに破綻寸前であり、作家も読者も、編集者でも止められない終わりが見えている。
たぶん願っても二年後には完全になくなると私は思っています。

誰が悪いかなんて考えれば分かりますが、そんなことを問い詰めたって誰も責任なんて取れないでしょう。

なら、今の我々に何が出来るか。
今の世代が、何処まで負の遺産を変えていくかにかかっていると思います。

作家志望の人に読んで欲しい作品です。
自分が売れるために書くのか。それとも物語を書く小説の文化を救う為に書くのかを一度考えて欲しいと思える作品です。
凄くオススメです。

★★★ Excellent!!!

読んだら、執筆したくなる。
小説家になりたいと思いながら、半ば読む専になりかけていましたがこちらの文章を読んで自分も作品を書きたくなりました。
うまく、言葉に出来ませんが自分には今一番読みたいものでした。
趣味で書くにしろ公募するにしろ妥協せずに「面白い」作品が書けるよう努力し続けようと思います。

★★★ Excellent!!!

出版業界に携わる方からの貴重な意見です。
職業としての物書きを選ぶのであれば、必ず読むべき内容です。
また、自分の作品を読んでもらいたい、レベルアップしたいと思う方も、ヒントが沢山散りばめられているので、是非参考にすべきです。

自分としては、これが読めて本当に良かったと思います。
なので、まだ読んでない書き手は是非。

★★★ Excellent!!!

私は編集者ではない。しかしここで書かれていることの多くは、日頃から感じていることだった。これは日本文芸の未来を憂う、真摯な警告である。

新人賞からデビューする作家のほとんどが、使い捨ての消耗品みたいなものだ。それは出版社が送り出す作品にまで及んでいる。

ライトノベルとは、元は中高生にも読み出すい文章・内容で書かれたものとされた。しかし今では、中高生が書いたような文章・内容が多い(もちろん、そうでないものもあるが)。しかもこの風潮が、最近では一般文芸にまで拡がりつつある。

それが売れれば何も問題はないのではないか、というのは、一つの真理だ。私は今まで、この真理を批判する論理を持たなかった。ところが文芸編集者である著者は、大きな視野からそれを批判する。本当に面白いものでなければ、国外で出して、新しい読者と顧客を獲得できない。作品の量産化と低質化は、作家の使い捨てを招く。ひいては、文芸全体の衰退へつながる。というのだ。これは由々しき問題である。

はなはだ遺憾なことではあるが、今の日本映画には、面白いものがあまりない。これは大勢の人が知っている。しかし黒澤明監督作品など、名作と呼ばれるものを鑑賞すると、かつての日本映画は、本当に凄かったのだなと思い知らされる。

漫画やアニメは、日本を代表する文化だとされる。しかし、これらでさえも、やがては衰退して、観るものがなくなってしまうときが、ひょっとしたらくるのではないだろうか。

「ツンデレが出てきた、かわいい!」
「男の娘が出てきた、萌える!」
「ロリ妹ハァハァ」

そんな安易な萌えが、漫画・アニメ全般を破壊するときが、こないとなぜ言えるのだろうか。現実には、もっと本質的な、少女の持つ可愛らしさというものがあるはずなのに。

しかし著者の真摯な思いは、私のパトスを揺り動かした。もっと読まれるべきエッセイである。

★★★ Excellent!!!

出版不況と言われ始めたのはもう随分前のことです。景気の悪い今の日本社会では金銭的にも精神的にも余裕がなく、お金も時間も本来の価値以上に大切に扱われています。みんな損をしたくないのです。

それはもちろん、大事なことです。みんながお金も時間も浪費していては、社会は成り立ちません。でもそれにばかり固執すると、結果としてみんなが損をすることになるように思います。

作り手も読み手もヒット作に飛びつき、噛みすぎたガムのようになるまでしゃぶり尽くす。それによって生まれる閉塞感、奇妙な連帯感。そして輪の中に入れないものは排除される。今までにないものを求めながら、自らそれを拒絶する。

今の出版業界の苦悩は日本社会全体の苦悩を象徴しているように思えました。

★★★ Excellent!!!

カクヨムなどのサイトを利用する私達、いわゆる物書き志望者達にとっては、身に染みる評論でした。

自分が何のために書いているのか、なぜライトノベルの分野に踏み出そうとしているのか、そしてこの先の出版会の中で自分が一般文芸やライトノベルに対してどんな姿勢で取り組めばいいのか、色々と考えさせられました。

そして、この考えは、これから物語を書き続ける限り問われ続けるテーゼであるとも思っています。

★★★ Excellent!!!

私の世代でも、「ラノベから入った」という方は多いように見える。
漫画より敷居が高く、評価も難しく、好みも分かれ、一存で良作・駄作は決められない。実は「産みの苦しみ」より「育てる苦しみ」の方が100倍ぐらいキツいのだ。
それを「何の罰ゲームですか」と思わない筆者の作家・作品に寄り添う深い愛。是非、カクヨム以外の作家さんにも読んでいただきたい、と切に願います。

★★★ Excellent!!!

大学の2年先輩が在学中に賞を取ってラノベデビューしたけど、それから音沙汰がなかった。しばらくしたら、わたしと一緒に就活してた。二作目どころか、続きもうまくいかなかったそうです。華やかだけど、色々あって、大変な世界なんだなあとよくわかる裏方からの切実なお話です。これからプロを目指す方々には参考になるのではないかと思います。

★★★ Excellent!!!

出版不況というやつに、僕らができることなんて、高が知れている。
だけど、僕は紙に印刷された本が好きだ。
紙を捲って活字から現れる景色を堪能する、あの幸せのためなら、単行本だろうと時に複数冊、鞄に入れることだってある。
何かにつけて、本屋に立ち寄る。昨日見たばかりなのに、また今日もズラリと並んだ本を眺める。
今まで知らなかった、面白い作家さんを見付けた時の嬉しさ。
誰かに教えたくなる興奮。
小説が好きだから、ここで「書く」し「読む」のだ。
ここは無料で利用させてもらっている。
お世話になっている出版業界に少し還元しようじゃないか。
だから、さあ、本を買いに行こう。

★★ Very Good!!

>言い出すと思いの外多くの典型的パターンがあり、逆に考えると
ライトノベルほどルールに縛られた分野はないとすら言える。

この書き込みに唸りました。仰る通り、あえて「そのようなもの」
に落とし込んでいる作品が散見されます。作家自身の表現なのかと
首を傾げたくなるものも。

表題の件ですが、本当に大きかったのかどうか、それは誰にも
分からないわけで。

まとまった活字というものに対しての敷居を下げるという意味で、
ライトノベルは意義があるように思います。ただ自分にとって
素晴らしい作品に出会えなければ「こんなものか」で離れて
しまうような。現在は数が増えすぎて、そういった作品に出会い
にくくなってしまっている気がします。

良い作品が埋もれてしまうのは歯がゆいものです。

★★★ Excellent!!!

編集者の創作論です。

自身の仕事を鑑みて見えるもの、それは流行を追い過ぎて本質を見失っているのではないか、ということです。

僕はライトノベルをそこまで読む方ではないので、時代の流れはそこまで詳しくないですが(ライトノベルを含むアニメなどは第一話を一通りみる)、筆者のように、日本独自の文化が変わってきている、と考えています。

文章には、エンターテイメント性と文芸という二つの方向性があります。

どちらも含む文章もあれば、片方に秀でた作品もあります。

何をもっていいとするかは個人の判断ですが、僕はまず個人が感じたことをありのまま表現したらいいのでは、と思っています。

先を見過ぎると今が見えなくなる、もちろん方向性は必要ですが、まずは読者の期待を裏切らないこと、それこそが物書きと必要な素質ではないでしょうか。

とても考えさせられました、勉強になりました、ありがとうございます。

★★★ Excellent!!!

>自分の好きなものこそが一番だと勘違いすることだ。

この一文に尽きると思うのですが、僕自身、つい最近までこの失敗をしていて、今ももしかしたら形を変えて失敗しているかも知れず、僕は年齢的に間に合わないかもしれないけれども、本文を読む聡明な若者、未来の作家には同じ間違いをしないでほしいと願います。

世の中に面白い本って、いっぱいあるんですね。

★★★ Excellent!!!

 出版社の事情みたいなことは知らないので、なるほどと思いました。

 べつの場所で元ライトノベル作家の方も編集部に対して書かれていましたが、「ライトノベル読者を舐めるな」と。

 思うに、ライトノベル編集部の方々も、ライトノベルのどこが面白いか分からないのではないでしょうか? 分からないけど、売れる。
 売れるものが増えるのは市場原理。

 ぼくの知り合いにもライトノベルしか読まない人がいます。いろいろ話を聞いていて、「ああ、彼は小説の本当の面白さを知らないんだなぁ」とは感じましたが、本人がそれで楽しいならいいんじゃないでしょうか? これ重要だと思います。

 別の知り合いはこうも言いました。そいつ、オタクなんですが、別のオタクを批判して、痛烈に。
「あいつらにとっては、オ〇ニーが本番S〇Xだから!」

 どんなものでも、深く知れば知るほど、高い快感が得られます。格闘ゲームを本当に楽しもうと思ったら、高い格闘ゲームスキルが必要です。


 小説も同じ。至高の恍惚感を得るには、高いレベルの作品と、それを感じる高いレベルの読解力が要求されます。
 読者と作者と出版社。この三つ巴の低レベル化を誰が止めるのか? あるいは、そんな必要ないのか?
 考えさせられるつぶやきでした。

★★ Very Good!!

この中に書かれている事は、多くの知識人が多方面から書きたてている。アメリカの二極化した貧富の差は今や娯楽方面にまで及び、高給取りは教育特化な番組を観て、労働者層は低俗番組を観るという、趣向の二極化にまで及んでいるという話だ。作り手側も売る為に良質な番組は上層にのみ提供し、下層にはお茶を濁した番組ばかりを提供するようになっているという。そんな社会がいずれ日本にもやってくるだろう。分断され、見下されるだろう側の人々に危機感がないのだから。

★★★ Excellent!!!

確かに、ライトノベルはどの作品を読んでも同じにしか思えません。
中にはライトノベルの中にも時として素晴らしい着眼点の作品も存在します。ですが、実状としてはその着眼点を掘り下げる努力をした作品というよりは『ライトノベル』として売れる作品にするためにせっかくの設定も台無しになってしまっているものが多いように感じます。
特に最近の作品はヒドイ……
ですが結果として、そういった作品が求められる世界で書く側としてはどうしてもそういう作品に近づけなければ新人賞をとることは難しいレーベルがほとんどですし、一般文芸においてでは受賞したところでまるで売れない世界です。いや、それどころか最近では一般文芸でも作品の質を無視した売れるためだけの戦略に傾倒しているように思えます。
この業界を救う何かいい方法があればいいとは思うのですが……