疾風怒濤の快進撃!
- ★★★ Excellent!!!
主人公の九尾健太はプロゲーマー。ですがランクは低く、日々の生活にも四苦八苦しています。
そんな彼がスポンサーが付くことを目指し、世界の強豪が集う祭典ゴリンピックの選考会に参加するところから物語は始まります。
著者の別作品『ぱらいそ』にも繋がる本作。
しかし『ぱらいそ』を読んでいなくともまったく問題はなく、
登場人物達の掛け合いと軽快な文章によってスムーズにゴリンピックに沸き立つゲーマー達の世界に誘い込まれます。どのキャラクターも個性的で、すぐに彼らの魅力に取り込まれてしまうでしょう。
世界ランカーたちの戦いへと繰り出した主人公達は、単純な機体の性能だけでなく様々な奇策や機転を利かせて真っ向からそれを迎え撃ちます。その機転は見事なもので、「そうきたか!」と膝を打つものもあれば「そんなのありかよ……!」と思わず敵に同情したり。
世知辛いゲーマーの事情やプロゲーマー達の意地や誇り、そして仲間達とのたしかな絆も描かれる本作は、とても刺激的なエンターテイメント作品だと思います。