佐月詩さんの紡ぎだす言葉にはきっと魔法がかかっている。
読者はハーメルンの笛を聞いた子供のように、ついて行かずにはいられなくなるのです。
豊饒な語彙を駆使して生みだされる陽気なフレーズ。
しかし作品世界の底知れぬ深さに息を飲みます。
文章も構成も完成された美しさ。
この連作はまぎれもなく文学です。
そして、どこか宇宙の高いところから人間達の営みを、輝くような無垢な魂で覗いているような、作者の透徹した視線を恐ろしいと思いました。
作者はきっと人間に絶望している。
それでいてこの救いがたい愚かな生き物を愛してやまないのだと感じました。
佐月さんはこんな感想を笑い飛ばすのでしょうが。
まずはじめに、作者様の作品構成力の高さに驚きます。
ちょっとエッチな作品で、コメディやファンタジー要素が多い中で、本当に描きたい深いテーマをしっかりと描いており、こんなにもコメディ要素と深い内容が共存できるだなんて、とビックリしました。
思春期のタクミくん(たっくん)を中心にストーリーが展開されていきますので、男の子特有の妄想(あんなこと)や興味(こんなこと)がたくさん散りばめられています。
そこにミキちゃん、そして「妖精」が登場してきて……。
笑ってしまいそうな展開や、続きが気になる展開で、ぐいぐいのめり込んでいきます。
また、本編一気読みも良いですが、応援コメントを書きながら読むのもおすすめです♪
作者様よりDVDやBlu-rayの特典映像やオーディオコメンタリーのように作品背景についても面白く解説いただけます。
読みやすい語り口だとか、魅力的な登場人物だとか、先の読めない展開だとか。
この作品の魅力はたくさんあるのですが、どれも本質ではないように思います。あるいはそのすべてが、本質へと読者を近づけるための目くらましなのかもしれません。
行き先のわからないバス――否、ジェットコースターのような、奇想天外な物語なのですが、決して難解ではなく、むしろとても読みやすいです。
ラストシーンにたどり着いた後は、不思議な読後感に包まれ、そして、誰かに薦めたいと強く思います。
そこで気づくのです。「これ、どう言って薦めればいいんだ?」と。
思春期の中学生のエロス溢れる一人称や、作中にちりばめられた中二ネタ、ギャグやパロディの数々――まずはそれらへの興味からで構いません。読み始めれば、きっとこの物語に夢中になるはずです。
とてもよくいる(と思う)思春期の妄想全開の主人公たっくん。幼馴染で、いつも彼にくっついているミキ。
よくある腐れ縁的な雰囲気から始まるこの物語は、少しずつ「不思議な色」を帯びていく。
現実世界に僅かずつ起こり始める、小さな違和感。現実の中に入り込んでくる違和感の絶妙な絡み具合は、読み手を否応無くその世界の奥深くへ引きずり込む。
やがて目の前に全開となる、作者にしか描けない瑞々しく鮮烈な世界。そこに私たちは存分に遊び、笑い、憤り、泣くことになる。
そして、この物語の最後に、たっくんが手にしたものは——。
人間は、自分の欲求の向く場所を常に手探りしながら人生を歩く。その中で、いつ、どこで、どんな風に「幸せ」というものを掴むのか。それはきっと、誰にもわからない。
けれど——少なくとも、ふわふわ漠然と時間を過ごすだけでは、きっと本当の幸せにはたどり着けない。本当の幸せって、苦しんで手探りしなきゃ掴めない。
そんなことを最後にほんのりと感じさせてくれる、とてつもない広さと深さを持った物語。
ぜひ、多くの方に楽しんで欲しい作品だ。
障害を抱える女の子ミキと、思春期に差し掛かり、そんな女の子をちょっと疎ましく思い始めた男の子タクミ。
そんな二人の関係が、ある日現れた妖精により変化していくことで、物語は少しずつ動き始めます。
と言っても前半は……リビドー全開、青春全開なたっくんの暴走(と言ってしまいたいくらい私には衝撃でした)が半端なくて、物語がどう進むのか全然読めない(笑)
ですが中盤で迎える急展開を境に、妖精であるグーターの、そしてどこまでも純粋なミキちゃんの想いが一つの終着点へと帰結していきます。
ラスト、開花したミキちゃんの能力がとても素敵な結末へと導いてくれました。
爽やかな読後感。
根底にある純粋な“想い”が最後まで貫かれた、切なくも心温まる物語でした。
是非読んでみてください。
一言では言い表せられない、むずかしい読後感です。
でも、複雑なアロマと、しっかりとした余韻を感じることができます。きっと、読み終えた方の多くが感じることでしょう。
世界の美しさも醜さも、両方描けているから、こう感じてしまうのでしょう。物語という限られた枠内にも関わらず、奇跡的なバランスで共存しています。見事に表現されています。
そんな複雑な物語なのですが、読み進めることが難しいか? というと、そんなことは全く無く。むしろ、スルスルと読み進めることができるから不思議です。
序盤は思春期オーバーキル的コメディ。……でも、それはオブラート。なにかだいじなテーマを包み込んでいるオブラートなのですが、そのオブラート自体が美味しいという感じでしょうか。
「おまえオブラートにどんだけこだわっているんだよ?」と、ツッコまざるを得ない。でも「……いい仕事だったぜ」と、作者に向けてサムズアップをキメます。
フェアリーウェイトは、個人的には、押切蓮介をイメージさせる雰囲気を纏った作品だと感じています。もし画を充てるなら押切蓮介で決まりです。そのまんまです(笑)
このような物語を表現する場があったということ。このような希有な物語を読むことができたということに、感謝をせずにはいられません。そして、これが『カクヨム』という場の可能性だと思います。
この作品を読めば、きっと『さつきまる』という、カクヨム作家のファンになるはず。これからの活動に期待します。
レビュー失礼致します。
序盤では、思春期真っ直中の少年心をメインに進む、あらすじ通りのコメディ感満載な物語(笑)
ところが、終盤の第21話を目にしたとき、私の涙腺は完全崩壊しました……(T_T)
あれは、泣くよ……絶対(T▽T)
下ネタ系はどうも苦手でしたが、作者様のタクミな表現力に引かれ、エピローグまでスラスラとたどり着くことができました❗最後まで読ミキることができて、とても幸せを覚えています🍀(o^-')b グーターッチ✨
また作者様からは、今を生ける少年少女たちへの、尊い想いを感じ取りました💓
子を護るべき大人の方々にこそ、是非一読していただきたいですね✨
幻想と似た不可視的概念である、大切な想い―故に、フェアリーウェイト💓←間違ってたらゴメンなさい😢
スッキリ爽快に終える、ドラマチックファンタジア作品です🎵
笑って泣いて、最後にホッとしたい方は是非よろしくお願い致します❗
文句なしの、☆☆☆です( ≧∀≦)ノ💮
読み終えたとき、どう表現するのが正しいものなのかとても迷った。
自分の持ち合わせている語彙力ではいかんとも言い難いこの小説はまさしく、『まずは、読んでみて』としか言いようがない。
そして読み終わった時、同じような感覚にとらわれる読者も多いことだろう。
それでもきっとこう言わずにはいられない。『まずは、読んでみて』と――。
抽象的なレビューで申し訳ありません。
読後感は題名の通り妖精が宙を舞っているかのような感覚にとらわれ、ミキちゃんとたっくんの関係性にしんみりさせられました。
まずはみなさん、読んでみてください(。・_・。)ノ
すてきな作品、ありがとうございました!
読了しました。とても長いのですが、ノリに乗ると一気読みさせる引力が心地良い不思議物語です。
最初は「ええ? これってありなの?」というような展開や、真新しい表現に翻弄され、気付けば主人公二人の甘酸っぱい恋に夢中。
こんどはファンタジー要素の「フェアリー」とのラブコメ展開が続いて、……と思いきや、「フェアリーウェイト」の本領発揮!
そこには、少年の性欲に支えられた独特な世界、
ちょっと欠けてるけれど一心に少年を求める純粋な少女の心
欠けているものを補おうとする不思議な存在の父親的愛。
彼女たちはある意味「親に恵まれてはいない」のですが、それは彼女たちの捉え方であって、とても大切に手を繋ぎ合っている。
タイトルのフェアリー・ウェイト に込められた想いと重い意味をちゃんと背負って、しっかりと生きて行くのでしょう。
見るも視るも同じ愛。眼の前のことに惑わされないで、しっかり大切なものを見つけたら、手を繋ごうねと、そんな作者さまの声が聞こえた気がします。
★の数も妥当な、様々な楽しみを詰め込んだ物語です。一部独特な表現もWEB小説と思えば、楽しめますよ。
五感で感じて読むと楽しい物語になるやもですね。
ありがとう。楽しかった。みなさんにもオススメします。