きみと駆けるアイディールワールド―緑風の章、セーブポイントから―

作者 馳月基矢

未来を生きる希望を支えてくれる、ファンタジー

  • ★★★ Excellent!!!

西暦2058年の近未来。主人公・甲斐笑音は17歳の花の女子高校生。治療方法のない難病を患う父親のために、看護師を目指している。優しい美声のイケメン教師・風坂先生に、目下片思い中。
オンラインRPGのなかで、笑音は美声イケメンの魔術師に出会う。ネットでもリアルでも、恋が出来てハッピー!
笑音と同居の元・従兄弟(現在は義弟)、瞬一は美形の秀才で、やはり医師を目指している。笑音の親友・初生が彼に恋していることを知り、笑音は橋渡しをしたいのだが――

現実世界での恋と友情の衝突、先端医療と倫理の問題。ゲーム世界での心理的な葛藤や冒険など――複数の問題をかかえた登場人物たちが、仲間とともに困難を乗り越えていく、いわば王道の異世界ファンタジーです。

笑音ちゃんの一人称のノリがよく、とにかく楽しい。RPGゲームは全くしたことのない読者ですが、つい一気読みしてしまいました。世界設定や登場人物が、しっかり創られていたからだと思います。もふもふのチンギス・ファミリーに萌えます。
十代ならではの恋と友情、進路に関する悩みなど、当時を懐かしく思いながら読ませて頂きました。

難病や先端医療などの重い問題を扱いながら、結末が爽やかで、ご都合主義的な苦さを感じさせないのは、物語(登場人物たち)の根底に、希望と優しさがあるからだと思います。
未来を生きる力を与えてくれる作品です。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

その他のおすすめレビュー

石燈 梓さんの他のおすすめレビュー 823