軽いとりかかり。がっしり骨太なライン。

白状すると実は最初の数話で、しばらく読むスピードが、落ちていた。あくまでも、軽やかに始まる物語が、どこへ向かっていくのか、やや戸惑ったせいもある。
それが、変わるのが中盤以降。薄っぺらく見えていたゲームの世界にみるみるうちに血が通い、この作者さんの真骨頂である骨太のストーリーラインが姿を現す。医療と倫理、ゲームと現実世界、家族と友情、恋愛。あくまでも軽やかに明るいヒロインが、なぜ明るくなくてはならなかったのか、腑に落ちる頃には、しっかりストーリーにつかまれていた。そして不覚にも泣かされた。

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