リヴオン―異世界ゲームで恋に落ちたら♪―

作者 氷月あや

38

14人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

この作品の文体は、筆者の史実を扱った他作品と比べかなり「ライト」です。でありながら、登場人物たちの思考や振舞いがその言葉の軽さにつられて軽んじられることはありません。主人公笑音(えみね)の語り口こそ十代の平凡な少女の脆さや気まぐれ、ナイーヴさを想起させつつ、物語自体はかなり緻密に構成されている印象を持ちました。
つまり、この作品最大の魅力は確かなドラマツルギーではないでしょうか。

ある程度の長さをもった文章で、特にエンターテイメントの要素が強い場合、読み手に飽きさせず読ませるには、フラストレーションと解消、あるいは問題の発生と解決が必要だと思います。
そういった視点でながめると、『リヴオン』には1話ごと、複数話にまたがって、そして全体を通じて、にそれぞれの単位で大きさの異なる緊張と緩和が存在しているため、「ちょっと時間が出来たから」という読み方も出来るし、「まとめて一気に」という読み方も出来ます。言ってみると、前者は朝ドラの、後者は映画のような在り方ですね。さまざまな読み方が出来るのはまさに文章の強度を保証するものであって、その筆致の見事さは疑いのないところです。
また、本文中には「もしかして~なのではないか」と読者を引き込んでいくポイントが随所に存在していて、僕はそれ故に一気に読んでしまいましたが、更新と同時進行で読むことが出来た人には「どうなるんだろう」という楽しみがあったでしょうから、ちょっと羨望の念を抱きます。
ライトな文体で書かれたフルスケール(本格的)物語として、ラノベが好きな方にも、またラノベが嫌いな方にもおすすめの作品です。


以下内容に関する話。


最初別個に存在していた現実と虚構が、ストーリー展開と共に絡み合っていきますが、現実の主人公が虚構に慰められたり、あるいは生きる希望になったりと、絡み合い方が非常に多層的で、それが上で述べた「フルスケール…続きを読む

★★★ Excellent!!!

どこかプリキュアのセンター戦士感があるヒロインが、明るく正しくハッピーに、恋に悩んだり友情に胸を痛めたり、はたまたゲーム世界では、見知らぬ誰かの魂を取り戻す冒険に出る物語。

ケータイ小説ともWeb小説とも見える文章で、少女の友情や恋の物語を、現実とゲーム世界の双方で描き出す、アクロバティックなエンターテインメント小説――いや、ジュブナイル〈成長物語〉だ。



文体がそれっぽいからといって、これをただのWeb小説と思ってしまっては、作品が持つ真価を理解出来ないかもしれない。

つまづきがあり悩みがあり、苦しみに涙するからこそ、その壁を乗り越えていく主人公の力強さが読者の胸を打つ。感じられる小説なのだ、本作は。


“ストレス展開”なんて言葉まで使って「そういう話」を嫌っていては、こういう作品には出会えない。実に勿体ないことだ。

そんな話は苦手だよという人にこそ、読んで味わって欲しいと思う小説だ。きっと、心に刻まれる何かがあるだろうから。


★★★ Excellent!!!

白状すると実は最初の数話で、しばらく読むスピードが、落ちていた。あくまでも、軽やかに始まる物語が、どこへ向かっていくのか、やや戸惑ったせいもある。
それが、変わるのが中盤以降。薄っぺらく見えていたゲームの世界にみるみるうちに血が通い、この作者さんの真骨頂である骨太のストーリーラインが姿を現す。医療と倫理、ゲームと現実世界、家族と友情、恋愛。あくまでも軽やかに明るいヒロインが、なぜ明るくなくてはならなかったのか、腑に落ちる頃には、しっかりストーリーにつかまれていた。そして不覚にも泣かされた。

★★★ Excellent!!!

近未来の世界で繰り広げられる恋物語です。

リアルでもゲーム内でも恋をしてしまうのですが
多分この人があの人だろうな、というのは王道的展開で
安心して読み進められます。

逆にどのようにリアルにバレてしまうのかワクワクしながら
読んでしまいました。やっぱりか!みたいなオチも良かったです。

微妙な三角関係の男の子も、シスコン気味の先生も
みんなキャラクターがハッキリしていてわかりやすく
男の子には少し同情してしまいました。

この物語の特徴は、ある人の精神(魂)をゲームの中で
救うのですが、そのゲームの舞台がモンゴル帝国なのです。

チンギスハンだけ有名なモンゴル帝国、作中では彼の息子たちが
ゲーム中に大活躍しています。
チンギスハンの後を継いだのは誰?と聞かれても
この物語を読んでいたらすぐに答えられます。為になる知識です。

全ての事情がハッピーエンドで終わる爽やかさも良かったと思います。
これからのご活躍も祈念いたします。



★★★ Excellent!!!

最新話まで拝読しました。看護師を目指す高2の女子高生が現実とゲーム、それぞれ世界でイケメン(イケボ)に興奮したり友達の恋愛を応援したりと、それこそ現実の女子高生らしい生活を送っていく――というような大変楽しげな内容です。

イケメンに目がない主人公は、当然ですがキャラが立っています。そのちょっとオッサン(?)気味な反応にクスッときてしまうこともしばしばありました。ただ、気になるのは『この物語はどこに向かっているのか?』というところですね。良い意味で先が読めないのです。ですが物語が進むと収束していくのでしょう。「そうきたか!」と驚かせていただけることを期待して、★3です!

★★★ Excellent!!!


3/22 現時点の最新話「第2章・ちかくにいるから」まで読みました。

看護師志望の女子高生・笑音は、イケメンで美声の風坂先生が大好きです。
また、オンラインRPG「PEER'S STORIES」にログイン中、「意識の行方を探す」3人と出会い、彼らに協力することになります。

その時々の情景の描写がすんなりとイメージとして浮かんできて、知らないうちに物語に強く引き込まれました。
学校で風坂先生と話すときのドキドキした気持ち。
魔法使いルラとして行動しているときの、弾けるような勢い。
とても明るくてテンポがよく、どんどん読み進んでしまいました。
また、笑音ちゃんが看護師を目指す理由、意識が戻らない戦士・ラフや同居する瞬一くんの存在は、どこか「live on」の意味と繋がっているような気がするのです。

意識を探すこと、不治の病、そして笑音ちゃんの恋と未来。
どんなふうに物語が進んでいくのか、本当に楽しみです。

★★★ Excellent!!!

こういうゲームネタの小説は設定自体が分からんので一切、手を出さない私が、この作品は読んでいる。

なんでか?

ディテールの詰めがすごいんや。
登場人物の名前。衣装。馬を駆けさせる時の単語、なぜ覇権をとりに行くか等々。
読者の持っているイメージを手軽に借用して、テキトーに描いた舞台ではないことが読み続ける原動力になっています。
「のろし」とか、由来を知らん人はためになりますよ。

てなこと書くと、オベンキョーな話かと思いきや、ちゃーんとセリフ回しでおもろい方向にバランスとってくれてます。

ラノベ系のゲーム系? 
そんな作品かと思うんですけど、蘊蓄系のお話でもあります。
あの、かしこなります。これ読んでると。

WEBに親しんでる方やと、ゲームがとっかかりになって入り込んでいけるはずですので、是非どうぞ。