第30話 書籍化ーあれこれー入稿しました(最終話)

 あれから数ヶ月、一生この原稿は書き終わらないのではないか、と思っていました。朝起きる度にどよーんと暗い雲に囲まれて、何を見ても読んでも心のどこかでずしーんと重しがあって、楽しめなくて、いい年こいて何やってんの、と自分ツッコミの日々でした

 この暗いトンネルから抜け出せる日が、ほんとに来るんだろうか、と思いながらカレンダーを見つめる日々ーーそんなことほざいてる暇があるなら書けばいいじゃないか、ともう一人の私が言うのですが、それができりゃあ誰も苦労しねえ!と、もう一人の私が叫ぶのでした。


 そんな中、大変ありがたい助っ人が現れたのです。私が書いた内容がいまの現場で本当に役に立つかどうかを読んで検証してくれる、とのことで、いやあ、持つべきものは教え子です。素晴らしい! 

 そこで、お言葉に甘えて、原稿の下読みを兼ねてお願いしたところ、これがまたとんでもなく、スーパー素晴らしくて、エクセレントの連発でした。検証するだけでなく、どう書き換えたら現場で頑張る人たちに伝わるか、彼らのやる気に繋がるかのヒント付きだったのです。いやもう、足を向けては寝られません。


 そして遂に、入稿が始まりました。完成している原稿(章・節)から優先的に印刷所に回すそうです。

 これに先立ち、1週間ほど前でしょうか、印刷所から製本の際のフォーマットというのを出してもらって、見せてもらいましたが、あれまあ、さすがプロですね。レイアウトとデザインがしっかりすると、ほんとに本に見える!笑 これはすごい、と思いました、やはり餅は餅屋です。


 現在は、ゲラが上がるのを待ちつつ、残りの原稿の修正で編集者とのやりとりを行っているところです。おそらく、あと2週間以内には全て完了し、7月末には刊行予定です。


 これまでを振り返ると、やはり一番有り難いのは、良い編集者との出会いです。

 既に連載のときからお世話になっていて、相性抜群なのは感じていたけれど、今回も、書くと言いながら全然書けない私を絶対に責めない、前向きな明るい伝え方で、かつ丁寧で敬意の籠もった言葉遣いに終始する、というこの編集者と書籍化作業ができることがどれほど幸運なことか、涙が出そうになります。


 今回の書籍化では、連載の時点では載せられなかった事例を写真と共に掲載したいと主張したため、あちこちからの引用や写真掲載のお願いを取り付ける必要があります。編集者はそれだけでも数十箇所にメールしたり電話したりの連続だろうと思うのですが、そんなことに一切の不平や不満を言わず、むしろ「皆さんとても良い方々ばかりですし、お陰様でこれまでにない素敵な出会いをいただいて、有り難い限りです」と、前向きな言葉が返ってくるのです。ほんとに、有り難いのは私の方です。


 来週には、ゲラが上がってくるのでそれを編集者と赤入れの作業で、それを一回印刷所に戻すと、もう一度ゲラが上がってくるそうで、ひとつの原稿に大体2回くらいまでは赤入れが可能なのだそうです。

 イラストや作図も同時にお願いしているので、それも併せて今月末くらいにはかなり本に近い形での赤入れができるでしょう。


 契約書を交わすのは、来週になりそうです。社会的にも信頼のある出版社さんなので、不安はもともとないのですが、そこはやはり、きちんと契約を交わすのは大前提です。ご用意ができたとのことで参上する予定です。


 タイトルが直前まで決まらなくて、契約書作るのがいまになった、て聞いたときは、笑い話みたいだと思いました。

 ちなみに、タイトルは編集会議だけでなく、営業部との会議も重ねて最終決定されます。私からは候補をいくつか出しましたが、どれも「刺激的過ぎる」と言われ、あらま、私のセンスってそうだったのね~と笑いました。「面白いし、キャッチーだけど、そんなんで炎上させても困るから」には、なるほど、と思いつつ「そんなことしなくてもちゃんと売れる本ですから、安心してください」には、仰せの通り、安心しました。タイトルは最終的にとても落ち着いた上品なものに決まりました。私の人柄に合わせた、という編集部からのお言葉は、お世辞だと分かっていても嬉しかったのでした~笑


 さて、このエッセイもちょうど30話と、キリが良いので、これをもって締めたいと思います。なんちゃって~な連載の開始から今日まで、いろいろと裏事情など書き連ねてきましたが、某かでもカクヨム勢の皆さんのお役に立つところがあれば大変嬉しいです。


 そして、カクヨムを初めてもう2年近いですかね、当初、「この人のは絶対に書籍化するわ」とマークしていた書き手さんのほとんどがいまや書籍化され、私は一人「うほほ、やはり見る目があったわ~わたし」とほくそ笑んでいるのでした。

 これからもみなさんが思うようなお話を書き続け、読者を喜ばせてくれるよう祈っています。どうぞお元気で。また会う日まで。


 


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雑誌連載初体験記ー鍵は編集者と確定申告、そして未来へ はる(haru8) @harutashiro

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