生まれた時代に人生を制限されながらも死の直前まで愛する人を愛し抜いた男性のお話です。時代や環境など外的な理由で自分の人生を選択できないというのは、とても窮屈であり、とても悲しいことですね。手紙の場面、涙腺を刺激されました。絶望する反面、人生を縛られても誰かを愛する気持ちやそれを選ぶ意思 、決断する力は誰にも奪えないんだ、と希望を感じました。
あらすじで興味が湧いたのがきっかけで本作を知ることができました。まさか、カクヨムで「姪浜」が出てくるとは。この当時と今ではもうすっかり変わっている景色ですが、なんとなくは思い浮かべることが出来、また帰郷した際に本作を思い出せるような気がします。本編では戦争によって引き裂かれてしまった男女の恋物語が丁寧に綴られていました。叶えられず、果たせなかった約束に戦争さえなければ――とどうにもやるせない気持ちでいっぱいです。例えフィクションなんだとしても、こうして地元の歴史を知ることができ、とても嬉しいです。ありがとうございました。
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