概要
大人の階段のファーストステップは、お寿司屋さんのカウンターでした。
美味い物を食べるのが好きで、ファミリーレストランなどの外食産業が嫌いだった父。
幼い頃に両親に連れて行かれた行きつけの店は、漁港の近くの小さなお寿司屋さんでした。
家族で行っても、座るのは座敷ではなくて、いつもカウンター。
今までは食べたいものを母に伝えて注文してもらっていたのに、その日は突然「自分で好きなものをおじさんにお願いしてごらん」と言われたのです。
目の前には、いつも黙々とお寿司を握っている白髪まじりのおじさん。
内気な小学三年生の私にとっては、飛び越えるのにはちょっと勇気のいるハードルでした。
*****
寿司小説コンテスト応募作です。
幼い頃に両親に連れて行かれた行きつけの店は、漁港の近くの小さなお寿司屋さんでした。
家族で行っても、座るのは座敷ではなくて、いつもカウンター。
今までは食べたいものを母に伝えて注文してもらっていたのに、その日は突然「自分で好きなものをおじさんにお願いしてごらん」と言われたのです。
目の前には、いつも黙々とお寿司を握っている白髪まじりのおじさん。
内気な小学三年生の私にとっては、飛び越えるのにはちょっと勇気のいるハードルでした。
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寿司小説コンテスト応募作です。