いつかは海洋生物に支配される日が来るという発想と想像力に引き込まれる☆

人類の勝手気侭な生活に一石を投じる問題奇作。
あるはずがないという先入観を持つことほど、まさかの設定と展開を目の当たりにした時のインパクトは凄まじい。この作品には、そんな強さと魅力がある。

とある若者たちが住まう地球のどこかで、人類のヒエラルキーを壊そうと企む海洋生物がいた。正に「魔の手」という言葉が相応しいイソギンチャクを代表格にしたところも面白いアイデアだ。彼らは触手を駆使して、人類の三大欲求の一つを利用し精神から破壊しようとした。未経験のことに立ち向かうことほど愚かで恐ろしいことはない。当然ながら、誰もが解決策を打ち出すことができず、一人また一人と人類が斃れていく。しかし、人類にも希望があった。
是非とも、その希望を見つけるために拝読して欲しい。それこそが、今の人類に欠けている大切なものでもあるから。きっと読者それぞれに新しい「気づき」が待っている。

触手モノの映像って今まで遠慮してきたけど、この作品のおかげで興味が出ました。新しい境地を引き出してくれて、作者さまには感謝しております☆

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