線と線の交わった軌跡

志維菜と詩恵奈。ふたりの女性がふとした出来事(ほとんど事故)からひとつ屋根の下で暮らすことになる。ひとりは舞台上で、もうひとりはキャンパスの上で自分を表現する術を探している。まだ若く、暮らしも安定しない、心細いふたりが寄り添うようになのは必然だったかもしれない。

それでも、そんな暮らしが永くは続かないのはふたりともわかっていた。
性格も、性質も、似ているようで全く違う。ぶつかり合うのは避けられない。
ギリギリのバランスで、向き合いながら、目を背けながら、ふたりは自分の夢と、現実にそれぞれ立ち向かっていく。

特に私が推したいのは二章の各話のタイトルセンス。
どうにも読まされる勢いがあるので、ぜひおすすめしたい。

ふたりは真剣に夢を見ている。真剣に生きている。
自分なりの生き方に戸惑う多感な青少年の、背中をそっと押してくれるような生き様だと思う。夢を見るってこういうことだ。ほんとに。

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