圧倒的なスケールの中に、息づく人々の圧倒的なパワー!

いやもう、とにかく面白いです。燃えます。興奮しっぱなしです。


アクション描写に定評のある作者さんの確かな筆致で描かれる、ケレン味たっぷりの巨大ロボバトル。
セリフでなく、地の文でこんなに読ませるweb小説って、他にないんじゃないでしょうか?

なにしろまず、大きさの単位がkm。
もはやこれだけでも頭がおかしいのに、拳の先が亜音速だったり、衝撃の規模がおかしかったり、とにかくスケールがデカい。


ですがこの小説の真骨頂は、そうしたスケールの大きな戦いの中に、僕らと同じサイズの普通の人間の息づかいがしっかりと聞こえる、その点にあります。

絶望的な大きさの城を操るクルー。
その周囲で竜騎兵を駆る騎士。
城の中で友人や家族の無事を祈る人々。そこに暮らす人々。

そうした人々が活き活きとしているから、大きさがより映え、そんな大きさの中に、したたかに力強く、人々が生きる。
そんな人間賛歌をこの作品からは感じずにいられません。


そして、それのみならず、その城の周囲でスピード感溢れるバトルを展開する竜騎兵がとにかくカッコいい。
これがいい対比になり、作品に恐ろしいほどのダイナミズムを生んでいます。

これまたケレン味に溢れたその描写と、またそれを駆る騎士たちがそれぞれの意志、信念をぶつけ合う様には心震えずにいられません。
カリヴァンさんカッコいい。ファラエルカッコいい。



とにかくデカい、熱い。
ただ面白いという言葉だけでは片付けられない、圧倒的なパワー!

パワーですよ!

暴力ですよこれは!!


アニメ化しましょうよこれ。
時代を代表する作品になりますよきっと!!

その他のおすすめレビュー

輝井永澄さんの他のおすすめレビュー166