との言葉通りです。
得てして人は勝者から学べると思いがちですが
「それって結局運がよかったよね」ということばかりです。
運とは時代であり生まれであり……。つまりは、偶然です。
成功者は「私は努力した!」とかいいますが。
努力の前提は誰がどう整えたんですか? と問いたい。
本気で努力だけで成功したというのならば、不遜極まりない思考と言わざるを得ません。そこから得られるものは多くはない。
その意味からして、作者様が綴ってくれた当作品は、
文字を辿ることで他人の人生から糧を得られるという、
文字本来の目的を存分に発揮してくれる良作品です。
快感やカタルシスとは無縁の、現実(リアル)を見させてくれる貴重な作品。多くのものを遺してくれる、人生に+してくれるそんな作品です。
貴重な戦訓を遺してくれた作者様に感謝致します。
カクヨムで小説を書いている人の中には、「自分の作品がランキング上位に挙がってゆくゆくは出版社からのデビューを……」ということを考えている方も多いでしょう。
しかし、外側からは華々しく見えるプロの世界というのはいったいどういうものなのか。
そういったことをプロの作者の視点から描いたのが本エッセイです。
プロが業界を語るというのはそこまで珍しいものではないかもしれませんが、本作で特徴的なのが作者である長物守氏が3作打ち切りという目に合って一度プロ作家から身を引いていること、作者自身の言葉を借りるなら「敗軍の将が兵を語る」という内容になっていることです。
それだけに彼の口から語られる言葉には、成功した作家によるものとは異なる「重さ」が存在します。
これで内容が全編恨み節全開だったりすると読み物としては別種の面白さが生まれるのですが、本作の場合、当時の事をある程度割り切りながら淡々と事実を連ねていくため、参考になると同時にますます重たい。
果たして、プロの作家はどれくらいの収入があるのか、作品を書く際に編集部からはどのような要請を受けるのか、イラストレーターはどうやって決まるのか、SNSではどういったことを書いちゃいけないのか、などの業界の裏話が語られます。
またそれ以外にも、批判を受けたときの心の持ち方や、執筆が滞った時の回復方法などのアドバイスは、きっと参考になるでしょう。
「自分の作品がもっと多くの人に読まれて欲しい」と夢と希望を持って書くのはもちろん大切です。ですが、その一方で頭の片隅にこうした現実を入れておくと、いつか役立つ日が来るのではないでしょうか。
(小説を書く参考になる作品4選/文=柿崎 憲)
私は「目指してないのに拾われちゃった」組なので、また微妙に立場が違ったり、プロになるために日々精進している人に比べて危機感がないというかのんびりしているというか、ちょっと温度差があったりもするのですが、一度本が出てしまった以上「プロ」と言われてしまうという意味では同じ恐怖に立たされていると言っても過言ではありません。
その上でこれを読んで思った事。
「ああ、自分はなんて恵まれているんだろう」
担当さんも「褒めて伸ばす」タイプの方だったし、絵師さんも期待以上のものを仕上げてくださった。
でも、そんなのはごく稀なことなのかもしれない。
もんんんのすごいラッキーだったのかもしれない。
思い通りに書かせて貰えなかったり、イラストを基準にストーリーを書き直さなきゃならないなんて、初めて聞いた!
こんなことが普通にあるんだなぁ……と驚きました。
我こそは豆腐メンタルだ!と胸を張って言える人ほど、これを読むべきだと思います。対処法、書いてあります。