叛逆の朱

生来の無鉄砲さ、そのせいか夏目三四郎はこれまで損ばかりしている。
友人と呼べるのは三四郎の性分を買っている一学年年上の宮坂大和とその友人の数人ほど。
トラブルメーカーでもある、宮坂大和はある日の昼休みに三四郎に切り出す。
｢三四郎、吸血鬼っていると思うか？｣
その日の下校中、夏目三四郎は吸血鬼に襲われた。
薄れ往く意識の中、三四郎に何かが語りかける。
『お前の本能を解放しろ』
その言葉に答えるように手を伸ばすと――。
その日、夏目三四郎は吸血鬼としての夜明けを迎えた。