異世界転移といえば、苦悩系孤独系絶望系主人公が辿り着く最後の楽園といったイメージが強い中、よりにもよってオカンと一緒に異世界って(笑)
何でしょうか、この素敵な発想は。
たまにね、ホントどうしようもなく「ひまわり作品」が読みたくなる時がある。自分でも何故か解らなかったのだけれど、この作品を読んでちょっとだけ解った気がしました。
発想の柔軟さ、語り口、面白い語句の掛け合わせ等、読みたいと思わせるパーツが無造作に散りばめられてあるんだ。それも解らないように。
読者はひまわり作品を読むうち、いつの間にか中毒症状になるようです。まるで白くてサラサラの粉を(自主規制)
あ……物語の解説を1ミリもしていなかった。
短くまとめて言えば「実によく考えられた調理法で毒を抜き、素材そのものの鮮度を落とさず、かといってただの刺し身にはない工夫がなされている絶品フグ🐡!」のような物語です。
これからも作者様の作品を好んで読んでいきます。
みんなっ、合言葉は「読むぜ! ひまわり作品」だ!
関西圏のオカンと息子が、あわや自動車事故!
その果てに異世界に親子仲良く転移した物語です。
転移先の異世界で出会う、若い美女と、牛のようなゴリラ。
異世界の地元ではモンスター扱いされ、食されなかった牛のようなゴリラを、オカンは素敵にクッキング。
昔取った杵柄は衰えを知らず、感性を生かしクッキング。
結論を言いますと、
カクタウロスのガムナの葉包み焼き。食べられます。
全力で「いただきます」の後「ごちそうさま」出来ます。
食わず嫌いって、もったいないですよね。
少しの勇気とアイデアで、世界は果てを知らず広がってゆくのだと教えて頂きました。
素晴らしい食の可能性を示して下さって、ありがとうございました。
なお、カクタウロスのガムナの葉包み焼きは架空の食べ物です。
とても残念です。何よりも残念です。
あえて昼食前の空腹状態で読んでみました。
結果として、ボクの判断は正解でした。もともと素晴らしい食材の描写がさらに引き立ちました。
ただ、この作品の中には、そんな素晴らしい描写が翳んでしまうような、すごいパワーが存在します。
それは――言わずと知れた「おかん」です。
どんなシチュエーションに置かれてもそのスタイルを変えることなく、その存在感を如何なく発揮する「おかん」。
何者も受け付けない、絶対的な存在であるかのような錯覚に陥るのは、彼女の持つ、得体の知れないパワーの現れなのかもしれません。はっきり言って「無敵」です――ここでは「絶対に敵に回したくない」という意味です(笑)
空腹状態で見たおかんの描写は、輪を掛けて衝撃的でした。
何がそんなに衝撃的だったかは――とても言葉では言い表せません。
ぜひ、身体で感じてください。ボクの言いたかったことを。「空腹」という極限状態で。
なんと申し上げたらよろしいのでしょう。百聞は一見にしかず、ぜひともご覧いただきたい怪作です。
オカンの順応力がいかんなく発揮されているのですが、これマジに面白いです。
もちろん企画物ですから、食欲をそそること間違いないので……本当にそそるかと問われれば、やや斜め左下に視線がむいてしまいま……いえ、充分そそります!
目の前にアツアツを出されれば、すぐにかぶりつきます!
と思います。
なぁに、お腹に入ればなんでも滋養になりますから。
短編ではもったいないシチュエーション。これで料理紀行の物語が作れます。
空腹は最大の調味料、ぜひ空腹時にご覧ください。