歪み
夢とコーヒー
懐かしい夢を見た。
場所は幼少期に住んでいたマンション。感じるのはエレベーターの扉に挟んだ右腕の痛みとビー玉が割れる音のみ。
今はもう会っていない幼馴染みがなにかを言っている感じがしたがなにも聴こえない。
……〜♪
アラーム音がなる。時刻は04:00、外は当然のことながらまだ暗い。
「起きなきゃ……」
掠れた声を出しながらスマホの画面を見る。
無料の通信アプリの着信が来ていた。
『私先輩のこと好きです』
昨日メールが来た後19:30頃メールを送ってきたのとはまた別の後輩がそう言ってきた。
理由はわからない。しかし、その前に最近よく話しかけてくる後輩と一応付き合う事になったのだ。
「ねむ……」
お湯を沸かしながらそう言いインスタントコーヒーの粉末をコップに入れる。
コーヒーの粉末がお湯に溶ける音を聞きながらテレビの電源を付けるがまだ朝の4時だ、当然なにも面白いものはやっていない。
「ふぁ………」
口を手で抑えながら欠伸をすると弟が降りてきた。
「チッ……」
弟は俺を見るなり舌打ちをしてきたが俺はそれを無視してコーヒーの入ったコップを持って自室に向かった。
コーヒーを飲んでからカーテンを開けると雨が降っていた。しかし、そこまで酷い雨ではなく、霧雨という感じだった。
俺はその雨を見ながら何故か痛みのある右腕をカッターで軽く切った。
「先生、おはよう」
俺は学校に早めに着くと図書館に向かった。
司書の先生はコーヒーを飲んでいた。
「おう、優月おはよう」
俺は図書館で横になると図書館の扉が勢いよく開けられる音が耳に入ってきた。
「先輩……」
入ってきたのは伊吹遥香だった。どこか冷めた目を俺に向けながらそう呟き、俺を見えてないように机に向かった。
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