鍋パ3

「いやー……買いまくったな」

自転車の籠に積まれた袋を見ながら俺は呟いた。

袋は二袋あり、片方にはゴマだれ、ラー油、肉などが入っており、もう一袋には……

「安かったからって買いすぎたな、これ今日中に消費できるのか?」

袋一杯まで入ったモヤシを見つめながらクラスメイトも呟いた。

近くのスーパーを4件ほど見てまわり、安いところで多く買った結果がこれである。正直に言って笑えないレベルだ。

「まぁ、食いきれんかったらそっちの家で消費してよ、モヤシとかなら持って帰るけど肉とかは普段お世話になってる分も含めてさ」

















結果としては食べきれなかった。

白米の代わりにもやしを食べ、おかずにもやしを食べ、鍋のほとんどがもやし。

肉よりもやしを消費するべきだと考えたくさん買い込んだもやしと肉を半分食べたところで俺もクラスメイトもギブアップした。









「あー……もうしばらくなにも食わなくても生きていける気がする……」

「だなー……もやしはしばらく見たくねぇわ……」

片付けと洗い物をした後俺とクラスメイトは床に寝転がってゲームをしていた。

「そう言えば最近なんか変わったことでもあったー?」

「ない、そっちはー」

「成績がやばいー」

俺とクラスメイトはそんなどうでもいいことを話していると時計の音が鳴った。

「あー、そろそろ帰るかねぇ……」

「マジで?なんかあんのー」

「課題がぁぁぁぁ」

俺がそう言うとクラスメイトが納得した様に笑った。

「気をつけて帰れよー」

「おう、またなー」

その言葉と共に俺は家に向かってゆっくりと自転車を漕ぎ始めた。




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