馬鹿な俺

「……きろ……おきろ……起きろ優月」

バシンと言うでかい音と共に俺の頭に強い衝撃が来た。

「痛てぇ………」

そう言うと横から声が聞こえた。

「ほう……痛いか、お前が起きんからやな」

横には嫌いな教師がいた。手には出席簿を持っているのでそれでも叩いたようだ。

「げっ………」

「さて、優月、あの問題解け」

そう言って教師は黒板を指す。

もちろんさっきまで寝ていたのだからさっぱりわからない。

「あー……うい」

俺は黒板に向かう前にそこそこ仲のいい斜め前の席の人に答えだけ見せて貰い黒板に答えを書く。

「優月、お前これどうやって解いた。」

席につくと教師がそう聞いてきた。

「見せてもらいましたー」

「自分で解けや」

教師が軽く出席簿で叩こうとしてきたので教科書でそれを防ぎ

「俺が解けると思いますか?」

俺がヘラヘラと笑いながらそう言うと教師が黙った。













その後は特に問題なく授業を終え、帰りの準備をしていると

「優月、今日帰りゲーセン行かね?音ゲーのイベントのやつ」

俺をとある音ゲーにハマらせたクラスメイトが俺にそう言ってきた。

「あー……、俺成績ヤバイからまた今度でいい?」

「いいけど、優月家で絶対勉強しねぇだろ」

クラスメイトはそう言って笑った。

「いや、全く持ってその通りだけど、だから図書館寄るんだって」

俺も笑いながらそう言うとそりゃそうかと笑われた。







「じゃぁなー」

「おう、じゃぁな」

そう言って俺とクラスメイトは図書館の前で別れた。

「さて……1年ぶりに入るなー……」

そう言って扉を開けると

「げっ……」

嫌いな教師が図書館にいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る