このドラマ、時に痛々しいほど真っ向勝負――小細工ナシの青春卓球物語!

第11話まで拝読しました。
先にカテゴライズしてしまうと、小細工ナシの青春卓球ストーリーで、いわゆる部活モノの系譜に連なる作品ですね。
もっとも、一個のスポーツを扱いながら、個人的には場面によって二面的な読み味が出て来る印象があります。

まず、卓球という競技自体に関して描かれているシーンには、あたかも少年漫画のような熱さと論理的な戦術解説がある。
一方で、その部活を巡る人間関係が描かれているシーンには、さながら少女漫画のような濃い目の心理描写があるように感じられるのです。

登場キャラの配置については、男子主人公でありつつ、物語を彩るのが複数の女子卓球部員たちなので、一見するとハーレム構造です(※逆説的になってしまいますが、心理描写に少女漫画的な雰囲気を感じるのは、女子キャラの葛藤が主人公の目を通して、類推的に描かれるシーンが多いためかもしれません)。
――が、物語の志向性自体は、前述通り「少年漫画的バトル(スポーツ)+少女漫画的人間描写のハイブリッド」に近いため、ベースに恋愛要素はあるものの、時に痛々しいほど真っ向勝負の青春ドラマになっていると感じました。

卓球を題材にした女の子がいっぱい出て来るお話だからって、油断してはいけません。
真っ直ぐな青春スポーツドラマがお好きな方、是非ご一読を!

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