天上の世界に住む、皆さんご存知、親っさんというサンタとトナカイがくり広げるドタバタコメディー……かと思いきや、二人?(一人と一匹?)がとある女の子のたった一つの切なる願いを叶えるという感動的なストーリー!
物語ががらりと変わるさまも圧倒的で引き込まれますし、後の女の子の話につながる伏線もしっかりと配置されています。いい意味で予想を裏切る作品。すごい作品だと思います。
また、前半の親っさんとトナカイの掛け合いもとてもおもしろかったです。その一方で女の子がサンタへお願いする様子は本当に切実で、彼女の想いが伝わってきます。このレビューのタイトルのように、最後は本当に涙が出ました。
どうかあの二人(一人と一匹)が罰せられることのありませんように。どうか天界の神様、お願いします!
江戸っ子口調のトナカイが何やら愚痴を言っている。聞けば、親っさんがどこかでクダを巻いていることに怒っているようなのだが……。
なぜに江戸っ子!? という疑問を抱くのは野暮だろう。インパクトがあればいいのだ。冒頭のインパクトで読者の心を掴めばオールOKなのである。
しかし遅ればせながら登場する親っさん――これサンタですか? キャバクラに入り浸る筋者にしか見えません(笑 こえーっ!
江戸っ子トナカイ、筋者サンタ、ちょんまげオカマ神の三人が暴走して終わりかと思いきや、途中からハンカチなしには読めない、とってもいい話に――。
そうですね、クリスマスくらいはすべてのお子様が笑顔であってほしいですよね。
全ての子供にハッピー・クリスマス♪
クリスマスを迎える前に皆さまも是非、ご一読を(⌒∇⌒)
この物語に出会えたことを、感謝したいと思います。
全ての人の心を温めてくれる、この物語に。
登場人物たちの軽妙な会話やコミカルな描写は、この物語に軽快な明るさをもたらします。本来なら重くなりそうな場面にも、キャラクターたちの勢いのあるセリフとアクションが躍動感を持たせ、一層大きな喜びや感動をもたらします。ストーリーの色合いとこのキャラクターたちの取り合わせは絶妙です。なんとも温かみがあり、魅力的。
そして、この物語がどんな風に読む者の心を温めるのか——。それはぜひ、物語の中に飛び込んで味わってください。
全ての人が「読んでよかった」と思える物語が、ここにあります。
いやマジで弱いんだ俺はこういうのに。こういうのでいいんだ。世界はそういう奇跡で満ちていりゃあいいんだよ。なあそうだろ。
というのは、10割「ベタ」な話というのは「ベタだなあ」と思うわけで、それで半笑いになって終わるわけですね。
じゃあってんで、10割奇想天外なことをやられると、まあそれはそれでアリなんですけど、ちょっと凡人にはついていけない。
9:1とか8:2、というのが良い塩梅になるわけです。
で俺の感覚で言うと、この話はその塩梅がパーフェクトで、こういうパーフェクトな塩梅に俺は弱いということです。どこが「1」または「2」かというと、一つは……の正体で、これは完全に全ての手がかりがフェアに示されていて、にもかかわらず気づけなかったことに後で「ふぉう!」ってなるやつ。心地よいアレのやつ。
もう一つはミュージックの存在だ。みんなも読みながら好きなロッケンロールを流すといいと思う。ロッケンロールが流れていて、ビジュアルがあって、まあ「それ」のネーミングだけ少々どうかと思わなくはないが、誰かこれ動画で作ってくんないっすかね~! というくらいそのシーンの情景がいい。映画館で見たら心の中で手を振るやつ。上下にね。スゥイングするやつだ。良い。
クリスマスに奇跡が起こることに辟易する必要なんてない。起こればいいじゃん、奇跡。素直にそういう風に思える話です。良かった。
キャラ付けが相変わらず強烈すぎて(笑)。
江戸っ子気質なトナカイもそうですが、妙に人情深いサンタクロース(だか何だか)との掛け合いにクスリとさせられました。
クリスマスもサンタクロースも西洋の風習なのに、作中の二名は妙に東洋思想かぶれしていて、うまい具合に和洋折衷しているのも面白いです。
密やかな現代日本の風刺でしょうか。
サンタクロースは子供に必ず贈り物を届けなければならない。
その贈り物は子供が真に願ったものならば絶対に叶えなければならない。
ならば、それがたとえ天に背くものであったとしても、必然的に叶うよう機能しなければならない。
建前も、名目も、どうだって良い。
それがそういう法則を持ち、能力であるならば、彼らは子供に笑顔を届けてくれるんですね。