めぐる風景の中で、振り返る思い出。そして手にする”今”。

コンパクトな字数であるのに、主人公の気持ちと巡ってゆく風景、そして思い出のきらめきと切なさ、今も手離すことのできない気持ち……それらがすべて無理なくまとめられていて、読んでいるとするっと世界の中にひきこまれます。

回転する喫茶店で、思い出という記憶を回転させていっているようで、物語の「場所」と人物の「心の動き」がマッチしていて素敵。
話がすすむにつれて景色が夜景へとうつりかわっていくのも、とてもロマンチックです。


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