無関心な空気を変える、小さな存在が微笑ましい。

都内の電車内では、周囲に極力無関心でいなければならないという不文律が存在する。
昼でも暗く、車内の蛍光灯が白けた空気を照らす地下鉄ならばなおさらだ。
そんな車内にぽつんと置き忘れられた小さな存在が、人々の心を動かす。
慌ただしい日常の中で、それはほんの小さな出来事に過ぎない。
けれども、その爽やかな香りと微笑ましい存在感は、地下鉄を降りた人の鼻孔と心をいつまでもくすぐるのだ。

そんなほっこりする物語をしめくくる言葉が、またなんとも作者様らしく、さらにほっこりしてしまいました。

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