最新話(第6夜)まで拝読しました。
いやーこりゃいいもん読ませてもらいました(笑)。
ざっくりカテゴライズすると、現代ファンタジーの中でも「日常系あやかし物」に分類される作品でしょうか。
文体は、Web小説としては改行が少なく、1ページ毎の文字数も多めですが、いざ読んでみれば不思議なほどスイスイと内容が頭に入って来ると思います。
また、全体の構成が連作短編に近い形式を取っているのも特徴的ですね。
それで、この作品の見所なのですが――
一言で表現すると、「空気感」ということになるでしょうか。
凄く抽象的な言い方になってしまうのがもどかしいのですが。
個々の魅力を取り上げると、登場キャラクターの性格付け、会話の雰囲気、穏やかな世界観、一話読み終える毎に何となく「ああ、いい話だったな」と素直に思える素朴な温かみ、などなど……
そういった要素が非常に高い水準で安定していて、総合力で勝負しているタイプの作品なのです。
読むと楽しく、ほんわかとして、なのにときどきちょっぴり胸に迫ってくる。
そういう優しいお話が好きな方は、是非ご一読を!
こどもの頃「つづく」の画面で、また来週だぁ。
だいすきな番組のつづきを早く見たい!と待っていた。
魅力的な主人公がいて、その周りにだいすきなキャラがいて。
そんな頃を彷彿とさせるこの作品。
*お正月の「賽の目」まで読了。
はまってしまって、虜になってしまうパターンだ!
決して聖人君子じゃないけど やさしい山吹先生。
世話焼きでキュートな きつねのクロコちゃん。
お茶しに来る 近所の4人の小学生たち。
そして、愉快なモノノ怪たち。
モノノ怪だから、夏目友人帳のことを連想する人も多いね。
うん、私が大ファンでついついグッズを買ってしまう
だいすきなニャンコ先生のように
ここの子たちも、ぜひキャラグッズになってほしいなぁ。
(特に赤い腹かけにフェルト小判のアップリケの猫ニャン。)
「カクヨムクリニック」も おすすめです。
クリニックの制作秘話みたいで、めっちゃ楽しい。
これからも「つづき」を 待っています!
優しくて欲のない貧乏な医者の先生(人間もモノノ怪も両方治療できます)と、助手的な存在のモノノ怪の女の子の両方の視点から綴られる、妖怪的なトラブルと解決のお話です。一話一話綺麗に物語がまとまっていて、とても読みやすいです。先生の人柄が素晴らしく(優しくていい人だけどちょっと抜けている性格)、助手のクロコは可愛いながらもしっかりしていて(お金のこともしっかり考えて生活力の低い先生をサポート)、とてもいいコンビです。登場する妖怪たちも個性的で面白く、子どもたちのキャラも立っていて、先生との交流にくすりとします。一話一話読むごとに優しい気持ちになれます。ぜひ多くの人に読んでほしい心温まる作品です。
1話1話がほのぼのとした雰囲気を醸し出していて、どこまでも優しさに満ちた小説です。
読んでいると、こっちまで穏やかな気持ちになれます。
言葉だけで、ここまでほのぼのとした雰囲気を感じさせる作者様は、ホントに凄いです。
そして登場するキャラクターたち。
山吹先生とクロコちゃん、そして登場するモノノ怪たちの魅力については、もうすでに多くの方が語られていますので、僕は子供たちについて少しだけ。
この小説では、毎回近所の子供たちがクリニックに遊びに来ます。
四人の個性的な子供たちなんですが、この子たちが結構お話のきっかけとなっていて、さらに山吹先生やクロコちゃんの、内にある性格や心情を照らし出しています。
彼らの関係性も、少しずつ明かされていくので、そこも気になるところです。
個人的にですが、一体マサヒコくんは、ランドセルになんの恨みがあるんだろう、とかも考えてしまいます。
アキナちゃんとトシオくん、チエミちゃんも、可愛くて魅力的な子たちです。
彼らがいてこそのクリニックだと思います。
最後にお話の方ですが、医者である山吹先生と、その助手であるクロコちゃんが、モノノ怪たちと出会い、その縁を紡いでいく物語となっています。
ただ困っているモノノ怪たちを助けて……という小説ではありません。
読んでみれば、その意味がわかると思います。
なのでまだ読まれていない方は、ぜひ読んでみてください。
ホントに面白いですし、各話すぐに読み終えてしまう筈です。
温かい日差しに照らされた神社で、ふと吹いた風の音が人の声に聞こえたことはありませんか?
暗い病院や学校の廊下に、無機質な科学では語れない、何か不思議なものが存在するような気がしたことはありませんか?
この物語は、関東地方のとある県、とある町の唯一の診療所を経営する「山吹先生」と、その傍で彼を支える「クロコ」という少女、そして診療所に訪れる様々な物の怪の物語です。
筆者が特筆したいのは、この物語があくまで表層的、悪く言えば振り回されるように物語を進める山吹先生のパートの後には必ず、クロコのいわばお片付けのパートがある点です。
クロコは山吹先生の生活を守る為にも、時にはビシっと物の怪達に治療の請求に迫ります。しかしその場面すら健気にも、コミカルにも感じ、決して不快には感じません。
それはきっと、仕方ないなぁ、という感じに多くのことを許してしまえる優しさが、クロコから垣間見えるからだと筆者は思います。
昼の山吹色も、夜の黒色も、この物語ではいつだって温かいです。
着飾ることのない、ささやかな優しさに触れたい方は、ぜひご一読されてみては如何でしょうか。
幸福は誰にとっても傍に置いておきたいものです。
それが人であっても、物であっても。
あれば幸せ!と思えるだけで、人生何とかなるものではないでしょうか。
そんな方にはこちら、『モノノ怪クリニック』はまさにうってつけの作品とお薦め致します。
お気楽だけど心の優しい山吹先生。
そんな先生を慕い、暗躍するクロコ。
両者の掛け合いと助け合いを軸に展開されていく本作品は、一話ごとに、抱くべき優しさと思いやりに充たされることでしょう。
果たしてクロコさんの想いは先生に届くのでしょうか?!
少し世の中がくすんで見えてしまっている貴方。
ぜひとも『七ツ闇クリニック』へ来院なさってみてはいかがでしょうか。
拙いレビュー失礼致しました。
同じ作者様の傑作、
『若君は吸血鬼』『ボーイズダイアリー』を経て
ここに辿り着きました。
全体の感想からまず書きますと、
とても人物配置やシナリオが面白く、
また一貫して各話同じレイアウトで構成されているので
実写映像化すればウケるなと思いました。
次にキャラクターですが、
こちらはもう『さすがですね』の一言に尽きます。
若君やBDでも思いましたが本当にこの作者様は
キャラクターの扱いが上手いです。
山吹先生やクロコ、その他多くのサブキャラ達が
時に主役となり、時に添え物となって魅力的に
動きます。
と、ここまで書いてレビューなのに
内容を1ミリも伝えてなかった事に気が付きました。
ではおもむろに。
『もちろん、面白いですよ!!』
モノノ怪。七ツ闇クリニック。
並ぶ響きは、血脇肉踊る妖怪奇談の展開を思わせますが、ほのぼのクリニック話です。
いつも懐が涼しい山吹先生が居る、学校帰りの子供達のたまり場。
不思議な少女クロコ。
話を飾る妖怪達は一つ二つと困り事を抱え、山吹先生やクロによって、まるでリレーと小咄のオチのように解決して行きます。
その繋がりは、人と妖怪達を渡す山吹先生の優しさを体現するかのようです。
また、話のたびに変わるクロコの装いにも注目です。
季節を感じ、妖怪達の息遣いを感じる物語は、心温まる感動のラストへ向かい、読む側を包んでくれます。
素敵な物語を、ありがとうございました。
小判猫と出会えて、とても幸せでした。
癒されました。一つ一つの物語が作り込まれているし、情景を表現する技術が洗練されていて読み手の心情を操っています。ヒロインであるクロコが泣けば読み手も涙し、笑えば頬を緩ませてくれます。
主人公の山吹先生はとても優しい人です。それと同時に人間っぽい感情もしっかり持ち合わせています。←(悪い意味でも)
それでも主人公の真摯で直向な態度が好感を誘いました。クロコじゃなくても惹かれてしまいますね。
各話に必ず新しい妖怪達が登場し物語の軸になり、話数が進むにつれて過去の登場人物達が活躍する構成は最高の読みごたえです。ここで書くのもあれなんで、是非一度拝読されては如何でしょうか。最初から最後まで練りこまれた物語に感動するでしょう。
日本映画の巨匠、黒澤明監督が弟子達に言っていた事を思い出しました。
「作品を見終わった時に、清々しい気持ちになるモノを作りなさい」
まさにモノノ怪クリニックはそんな気持ちにさせてくれる作品です。
作者様の優しさが滲みでていると思いました。
次回作を作る予定があるとかないとか噂されていますが、クロコと先生の関係にメスを入れるのかどうか。もうすでに私は想像を膨らませています。
最後になりましたが、こんなにも素晴らしい作品を読ませて頂きましてありがとうございます。
いっぱいの感謝の気持ちを込めて。
いっつも収入難に追われ、それでも「健康なのは良いことです」と言い張るちょっとお金に黒い先生と。
それを支える集金係(?)クロコとのやり取りが楽しい、妖怪たちとの日常を描いた作品です。
子供たちがやってきて。
噂話を持ち込んで。
今日も患者が居なかったと思いきや、妖怪のお客さんがやってくる。
そしてクロコの視点へ。
と基本的には毎回決まった展開なのに、まったく飽きさせずお話が転がっていきます。
そのうえ「物語」として綺麗にまとまっていて、以前の出来事や報酬として貰ったものが次へと関わってくる。
まるでパズルのようにしっかりとハマっていく様は読んでいて気持ちが良い。
どのお話も温かで楽しくて。
まるでドロップ甘露のように、毎回違った味わいを楽しませてくれる。
そんな”お楽しみ”がたっぷりと詰まった作品を、どうか味わってみてください。
おすすめです!!