優しい世界で紡がれていく、優しい物語

1話1話がほのぼのとした雰囲気を醸し出していて、どこまでも優しさに満ちた小説です。
読んでいると、こっちまで穏やかな気持ちになれます。
言葉だけで、ここまでほのぼのとした雰囲気を感じさせる作者様は、ホントに凄いです。


そして登場するキャラクターたち。
山吹先生とクロコちゃん、そして登場するモノノ怪たちの魅力については、もうすでに多くの方が語られていますので、僕は子供たちについて少しだけ。

この小説では、毎回近所の子供たちがクリニックに遊びに来ます。
四人の個性的な子供たちなんですが、この子たちが結構お話のきっかけとなっていて、さらに山吹先生やクロコちゃんの、内にある性格や心情を照らし出しています。
彼らの関係性も、少しずつ明かされていくので、そこも気になるところです。

個人的にですが、一体マサヒコくんは、ランドセルになんの恨みがあるんだろう、とかも考えてしまいます。
アキナちゃんとトシオくん、チエミちゃんも、可愛くて魅力的な子たちです。
彼らがいてこそのクリニックだと思います。


最後にお話の方ですが、医者である山吹先生と、その助手であるクロコちゃんが、モノノ怪たちと出会い、その縁を紡いでいく物語となっています。
ただ困っているモノノ怪たちを助けて……という小説ではありません。
読んでみれば、その意味がわかると思います。

なのでまだ読まれていない方は、ぜひ読んでみてください。
ホントに面白いですし、各話すぐに読み終えてしまう筈です。

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